金融大手首脳、年末にかけて株最高値を予想-デフレ本格脱却の期待も
(ブルームバーグ): 証券や銀行業界の賀詞交歓会が6日都内で開かれ、大手証券トップは年末にかけて日本株最高値の更新を予想した。一方、トランプ米次期大統領の就任による政治リスクが懸念材料との声が聞かれた。
大和証券グループ本社の荻野明彦社長は、日経平均株価は年前半に3万9000円をめどとした下値を付けた後、12月にかけて4万5000円の高値に向かうと予想。SMBC日興証券の吉岡秀二社長は「株価を意識した経営を重視するということに対するマーケットの期待感の高まりは全く不変で、今年もその流れは変わっていない」と述べ、年末にかけて高値4万8500円を付けると見通した。
日経平均は昨年2月、約34年ぶりに史上最高値を更新し、7月11日には4万2426円の最高値を付けた。今年最初の取引となった6日の日経平均は一時630円超下落して3万9264円を付けたが、コーポレートガバナンス(企業統治)改革や堅調な企業業績を背景に、国内外の証券各社は今年も最高値を更新するとの見通しを示している。
一方、リスク要因として大和証Gの荻野社長は、米トランプ次期大統領が打ち出している関税の引き上げが米国や世界経済に与える影響を挙げた。「具体的に現実の政策として、どういう落とし方をしてくるのかが特に注目点だ」と語った。
国内の経済動向に関しては、全国銀行協会の福留朗裕会長(三井住友銀行頭取)が、人手不足は続くものの、高水準の賃上げや積極的な設備投資が見込まれるとして「いよいよわが国がデフレから本格的に脱却するのではないかと期待している」とあいさつした。
--取材協力:中道敬.
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