「グロつく!」を通じて感じるグローブの素晴らしさと野球の楽しさ
「今日のお子さんは真面目でやりやすかったです」と終了後の阿部氏は満足感を漂わせた。普段はやる気満々な子もいれば、全く乗り気で無い子、すぐに親御さんに頼る子など、さまざまだという。 「子供たちの個性は多様なので、それぞれに合わせることも重要です。やはり乗り気で無い子をどうするかは難しいです。親御さんに手伝ってもらったり、どんどん話しかけたり…。勉強中です(笑)」 「イベント会場等でやる時には、他の催しに興味が行って集中してくれない場合もある。そういう時には事故が起こらないように本当に気を使います。紐通しの針金などの金具を使いますから」
~野球グローブ作りを通じた自由研究
「『グロつく!』への注目が集まるのにはいくつかの理由があると思います」と米沢谷氏は語る。 「グローブが形になった時は、誰もが本当に嬉しそうです。子供たちがプラモデルを作ることさえ少なくなっていると聞きます。モノ作りに接する喜びが実感できるはずです」 大好きな野球グローブを自らの手で作り上げる。これ以上の満足感を得られるモノ作り体験はないかもしれない。 「夏休みの自由研究で参加している小学生も多い。我々の時代に同様のことができたら絶対に参加したはずです。手前味噌になりますが、野球好きにとっては最高の研究テーマだと思います」 この日、母親と共に参加した小学5年生も自由研究の一環だった。「難しかったし(紐通しで力が入って)指も少し痛むけど、楽しかった。このグローブ、カッコ良い」と満足そうだった。 「野球人口減少への対策にもなると思います。趣旨に賛同、協力してくださる野球メーカーさんのおかげで、お得なグローブ製作キットを提供することができています。野球への興味を少しでも増やしてもらえれば嬉しいです」 NPBをはじめ、各カテゴリー、メーカー等、関係者にとって野球人口減少対策は大きな課題となっている。『グロつく!』の取り組みもその一環として認知されている。