「グロつく!」を通じて感じるグローブの素晴らしさと野球の楽しさ
~グローブへの知識は試合中の武器になる
米沢谷氏は「グローブの構造と紐通し方法を学ぶことは、試合中の武器にもなり得る」と付け加える。 「プロ選手の中には、予備の革紐を常に持っている人もいます。紐が切れた場合、応急処置できるようにしているそうです。試合中はベンチへメーカー担当者が入ることはできませんから」 「グローブについての最低限を知っていれば緊急対応が可能です。仮に紐が切れても指間などを締めていけば、どこかで結べる場所も出ます。他選手のグローブを借りることなく試合を乗り切れるはずです」 「ギアの知識を持ち、大切に扱うことが野球の技術上達に繋がる」と言われるのも納得できる。
夏休みに突入、週末のみにとどまらず平日も『グロつく!』が開催されるほど需要も高まっている。 「グローブは触っているだけで楽しくて落ち着きます。野球への興味や楽しさがより深まると思います」(米沢谷氏) 「グローブの奥深さを子供たちに伝えたい。そのためにもグラブマスターとしての技術をもっと高めたい」(阿部氏) 見て、触って、知って、作り上げる。 『グロつく!』を終えた子供たちが、グローブに対して異なった気持ちを抱き始めたのは間違いないだろう。野球への思いが深く心に刻まれる貴重な体験ができる場所だ。 (取材/文:山岡則夫、取材協力/写真:グローバルポーターズ株式会社)