「投資をいつから始めればよいのか」「いつ終わりにすればよいのか」の疑問、投資の流れについてFPが解説します。
投資をする際、売買のタイミングを正確に言い当てることはできません。しかし、ある程度考え方を身に付けておけば、投資判断を大きく間違える可能性を減らすことができます。 このシリーズでは、「どこで入って、どこで降りる?」と題して、さまざまなインデックスファンドを取り上げ、投資をどのタイミングで始めてどのタイミングで終わりにするか、その方法を伝えたいと思います。 相場を占うという類のものではありませんが、今後の投資の参考にしていただければ幸いです。
なぜ、売買のタイミングという考え方を身に付ける必要があるのか
「投資をいつから始めればよいか」と質問されることがありますが、筆者は「知識と技術があれば、いつ始めてもよい」と答えるようにしています。裏を返せば、知識と技術がないまま、よく分からずに投資を始めてしまうと、状況によっては損失を膨らます可能性があるのです。 また「投資をいつ終わりにすればよいか」という質問も受けることがありますが、これは相場の局面に従って判断するようにしましょう。なぜならば、大局観を持たずに投資を続けてしまうと、大きな下落相場に見舞われたときに損失を被る可能性があるからです。 このように言われると、「そこまで学ぶ時間がない」、「手間がかかる」といった印象を持つ人もいるかもしれません。しかしそのような印象を持つのは、単に知識と技術を身に付けていないからです。ある程度知識と技術が身に付いていれば、投資について考える時間ができ、投資判断に必要な手間を減らすことができるようになります。 例えば、料理を作ったことのない人はできあがるまでに多くの時間がかかりますが、料理を作るのに慣れてくると手間が省かれ、必要な時間を減らすことができるようになるのと同じです。 「売買のタイミングを計る」とは「投資判断を下す」という意味です。投資判断を下すのは、利益を得るためであり、損失を抑制するためでもあります。つまり、「売買のタイミングを計る」のは「リスクコントロールをする」ために行われるもので、大切な資産を管理する上では必要不可欠なことといえます。