「投資をいつから始めればよいのか」「いつ終わりにすればよいのか」の疑問、投資の流れについてFPが解説します。
投資マネーの流れと、ファンダメンタルズについて考える
(1)投資マネーが、これからどこに向かっていくかを予測する 投資判断を下すにはいくつか方法がありますが、共通していえることは「投資マネーが、今、どこからどこに向かっているか」を観察し、「今後、どこからどこに向かっていくか」を予測することです。 機関投資家(金融機関など)や大口の個人投資家などは、どの国・地域に投資すべきかを考えながら投資資金を振り分けています。そのため私たち個人投資家であっても、特に「日経平均株価指数」や「S&P500」などに連動するインデックスファンド(指数連動型投資信託)に投資する際は、お金の流れが今どうなっていて、これからどうなるか留意する必要があります。 昨年まで、中国や香港に向かっていた投資マネーが、中国経済の低迷から他の国・地域に流出し、アメリカをはじめとする先進国やインドなど、地政学的リスクの影響を受けにくい新興国に向かっていたのは、最たる例といえるでしょう。 マネーの流れが今後どうなるのかについて、大局観を持つことは、投資判断を下すに当たって重要なことといえます。 (2)ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)をチェックする ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は、世界経済やある国・地域の経済状況が、今どうなっているのかを示すものです。 例えば、代表的な経済指標であるGDP(国内総生産)や雇用統計(失業率など)、物価(消費者物価指数など)といった統計データを用い、世界経済や各国・地域の経済状況について確認していきます。例えばアメリカ経済の場合、現在は景気の減速傾向が見られるものの、依然として消費者物価指数は目標値である2.0%/年を上回っています。 このような経済情勢をチェックすることで、長期的にアメリカの株式インデックス(NYダウやS&P500、NASDAQなど)に対する投資判断をどうすべきか、考えることができます。
テクニカル分析を行う
投資マネーの流れとファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の状況を念頭に置きながら、実際に売買のタイミングを計っていきます。 このとき用いる「テクニカル分析」は、チャート上で行います。チャートは、インデックスや個別銘柄の状況を示すもので、過去から現在に至るまで、どのような軌道を描いてきたかを確認することができます。 このときは投資判断を下すわけですから、過去や現在の動きをもとにテクニカル分析を用い、将来の動きを予測した上で売買のタイミングを計ります。