話題のトイレも! 水辺で、田んぼで…世界的な建築家・坂茂の名建築を感じる旅へ[FRaU]
庄内地方の田園風景が窓いっぱいに広がる「田園ビュー テラス付きダブルルーム」。ワーケーションのゲストにも好評。
建築家の坂茂氏が日本の原風景をモダンな美へと昇華させた建物の周囲には、古来より信仰を集める出羽三山からの雪解け水に育まれた田園風景が広がる。 写真:レストラン前の水鏡のようになった水田には、建物や夕陽が映る。月山を望む開放的なレストラン「MOON TERRASSE」では、自社農場の野菜や山形庄内の旬の食材など、地元食材を使用した料理を楽しめる。ディナータイムは庄内の日本酒や県産ワインをぜひ。外来利用も可能。
水田という豊穣の象徴と地産地消の美味を、心ゆくまで堪能したい。 山形県鶴岡市北京田字下鳥ノ巣23-1
坂茂建築が異彩を放つ アーティスティックな渋谷区の公共トイレ
トイレ清掃員として働く男の日常を描いたヴィム・ヴェンダース監督の映画『PERFECT DAYS』の舞台は、東京のアーティスティックな公共トイレ。映画のおかげで海外のメディアからも注目されているこのトイレは、日本財団と渋谷区の連携プロジェクト「THE TOKYO TOILET」の一環で2020年~23年に設置されたものだ。 渋谷区の17ヵ所の公共トイレを設計したのは、「デザインの力で多様性を受け入れる社会の実現を目指す」という企画趣旨に賛同した16人のクリエイター。世界的な建築家・坂茂氏もそのひとりで、カラフルなガラスの箱を並べたような「ザ トウメイ トウキョウ トイレット」は、2020年の設置当初「透明トイレ」として世間の注目を浴びた。 写真:夜になるとカラーガラスの透過光が煌々と光る「ザ トウメイ トウキョウ トイレット」は、渋谷区の2カ所の公園に設置されている。映画「PERFECT DAYS」で主人公の平山に外国人女性が使い方を尋ねるシーンが撮影されたのは「代々木深町小公園」(東京都渋谷区富ケ谷1-54-1)。
ガラスの壁は、空室時は新技術の鍵で通電することで透明な状態が保たれているが、施錠すると通電が解除されて不透明になり、内部の様子が見えなくなる。そのため、トイレに入る前に中がきれいかどうか、中に不審者がいないかどうかを確認できるのがメリットだ。デザインだけでなくメンテナンス向上にも努める「THE TOKYO TOILET」のトイレは1日最大3度の清掃を実施中。日本のトイレ掃除の丁寧さも映画の効果で海外に知られ始めているようだ。 写真:色違いの「はるのおがわコミュニティパーク」(東京都渋谷区代々木5-68-1)のトイレも別の場面に登場する。男性用と女性用、ユニバーサルトイレがあり、ユニバーサルトイレの前には点字ブロックがある。 ●情報は、FRaU2024年6月号発売時点のものです。