【甲子園球場100周年】夏の全国高校野球を彩った情熱のドラマ、歴史から学ぶ教訓
2:【1勝するのに3年半】下関国際を部員11名の無名校から準優勝に導いた熱血指導者(2022年8月23日)
球児たちの熱戦に幕が下ろされた。第104回全国高等学校野球選手権大会は8月22日に決勝戦を迎え、仙台育英(宮城)が下関国際(山口)を8―1で下し、初優勝を飾った。春夏通じて43度目の聖地出場を誇る古豪はこれまで一度も日本一に手が届かなかったが 7年ぶり3度目となる同大会決勝進出で悲願のVを達成。東北勢としても春夏合わせて初の全国制覇を成し遂げ、ついに深紅の大優勝旗が「白河の関越え」を果たすことになった。 その一方、敗れた下関国際の面々も甲子園球場のスタンドから優勝校の仙台育英と遜色のない万雷の拍手が送られた。今大会では準々決勝で今春センバツ優勝校の絶対王者・大阪桐蔭(大阪)、同準優勝の近江(滋賀)と高校野球界屈指の強豪チームを次々と破り、これまで最高位だった2018年大会ベスト8の壁も突破した――。 下関国際を甲子園準優勝に導いた坂原秀尚監督の情熱(2022年8月23日)
3:<野球に命をかけた選手に名誉を>「最後まで死力を尽くせ」戦意高揚目的の大会を“幻”にするな(2022年8月16日)
真夏の甲子園球場で繰り広げている第104回全国高校野球選手権大会。一昨年の第102回大会は新型コロナウイルスの感染拡大のため中止となり、やはり中止となった同年春の選抜大会の代表32校を招いた「交流大会」として1回戦のみの交流試合が行われた。 昨年の第103回大会は、一般の観客を入れない異例の措置を取りながらも2年ぶりに大会を開催、球児たちは試合ができることの喜びを満喫した。今年は観客もスタンドに戻り、いつもの高校野球人気を取り戻した。 今大会もコロナ感染者の選手入れ替えなど特異な大会運営が進められているが、80年前にも異例づくしの甲子園大会があった。1942(昭和17)年8月、戦争激化のため、大阪朝日新聞社主催の選手権大会は前年に続いて中止となったが、国民の戦意高揚を目的に、当時の文部省と、その外郭団体が主催し、全国の予選を勝ち抜いた16校が参加した「全国中等学校錬成野球大会」だ――。 戦争、コロナ、犠牲となる選手… 「幻の甲子園」を読む(2022年8月16日)