65歳以上の単身女性44%が“貧困”の現実【報道1930】
年金に男女差別があるわけではなく、男性の方が厚生年金に加入している期間が長いという社会的な事情だ。 生涯独身で厚生年金にも加入経歴を持たない場合は、当然男女同額、月に6万8000円だ。しかし40年国民年金を払い続けた場合であり、未納期間があればその分減額となる。生涯非正規雇用の人はここの分類されるのだが、その数でも男性32.2%に対し女性67.8%と圧倒的に女性が多い。 立憲民主党 長妻昭 代表代行 「深刻なのは団塊ジュニアの女性50~53歳の方々。非正規比率も高いし、就職氷河期で全体的に賃金も低いし未婚率も高い。そういった方々が2040年ごろ老後を迎えた時に生活ができなくなる。間違いなく今のままだとそうなる。(中略)我々は『上乗せ年金』の創設が必要だと…。一定の(低い)年金の方に税金で上乗せする。イギリスでもPension Credit、ドイツでは基礎保障、フランスでは連帯保証といって年金が少ない方に上乗せする制度がある。民主党政権の時に『年金生活者支援金』(財源には4~5000億…)という制度を作った。これを拡充して…」 これには高齢者や女性の貧困を研究する阿部彩教授も賛成する。 東京都立大学 阿部彩 教授 「今の支援金も大変役立っていると思います。一歩進めて『最低補償年金』が多くの国にあります。生活保護は抵抗ある人も多いので生活保護に頼るのではなく、税金で賄ってでもここまでの生活は、国が保障しますという制度…これを作る時期に来ているのではないか…」 ■「欧米は寿命が延びた分だけ長く働いてもらい、年金制度への負担を中立化」 労働政策や年金問題が専門の昭和女子大学特命教授の八代尚宏氏は、日本の年金制度にはいくつもの間違いがあるという。例えば今注目の“壁”といえば50万円の壁というのもある。 働く高齢者で、月の給与と支給される年金を足して月50万円を超えると超過分した分の半額が年金支給額から引かれるという問題。 高齢者でバリバリ働く人の中に、自分が掛けた年金が減らされるくらいなら、働き控えをしようと思うのも無理はないと八代教授は言う。