優勝しても報われない「ジュニア女王」に年齢制限の壁…フィギュア全日本選手権きょう開幕
フィギュアスケートの全日本選手権(大阪)が、あす20日に開幕する。 今大会は2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪の各国出場枠(最大3)が懸かる世界選手権(来年3月=米・ボストン)代表の選考会も兼ねた一戦だ。 【写真】「母親なのに!」 安藤美姫“透けTバック”の波紋 女子は4連覇を狙う坂本花織(24)、先のグランプリ(GP)ファイナル初出場で2位に入った千葉百音(19)、そしてジュニアでは世界も含めて敵なしの島田麻央(16)による三つ巴の優勝争いが予想されている。 中でも島田には勢いがあり、今年11月の全日本ジュニア選手権で史上初の4連覇を達成、今月上旬のジュニアGPファイナル(フランス・グルノーブル)は和田薫子、中井亜美の日本勢を抑えて前人未到の3連覇を成し遂げた。 披露する演技、繰り出す技はジュニアレベルを超えており、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)、4回転トーループの大技を武器に、9月のジュニアGPポーランド大会ではフリー(151.57点)、合計得点(224.68点)ともシニアも含めて今季世界2位だ。今大会はジュニアで禁止されている3回転ジャンプの実施を予定しており、さらなる得点の上積みを目指す。 島田は、すでにシニアレベルでも互角に渡り合える実力を持ちながら、ミラノ五輪には出場できない。 国際スケート連盟(ISU)が22年の総会で、五輪、世界選手権の年齢制限を従来の15歳から17歳に引き上げたからだ。ロシア勢を中心に選手の低年齢化が進み、心身への負担、健康への影響が深刻化し、スケーターとしての短命化が問題視されてきた。島田は来年の10月で17歳になるものの、ISUの規定では五輪、世界選手権が開催される前年の7月までに17歳を迎えていなければならないため、ジュニア女王はミラノ五輪のリンクに立てないのだ。 島田の五輪出場は最短で21歳になった30年フランス・アルプス地方大会。シニア転向後、どこまでレベルアップを図れるか。