デマンドバスと「コード決済」の相性抜群? 地域密着型キャッシュレス化で「高齢者排除論」はもう古いのか?
キャッシュレス決済の進化
日本の公共交通におけるキャッシュレス決済が急速に進化している。 これまでは交通系ICカードが主流を占めていたが、 【画像】データで見る未来都市! これが交通サービスへの「期待度」です! 画像で見る(11枚) ・クレジットカードのタッチ決済 ・コード決済(QRコードやバーコードを使用して支払いを行う方法) の普及により、その地位が揺らぎつつある。特にタッチ決済は急成長を見せており、三井住友カードが主導する実証実験が全国の鉄道や路線バスで展開されている。 一方、PayPayをはじめとするコード決済は、交通系ICカードやタッチ決済と比べて決済時の手続きにやや不便さを感じることがある。しかし、コード決済にはそれを補うだけの利点があり、特に地方都市で導入が進む ・コミュニティーバス(地域住民のニーズに合わせて運行ルートや時刻が設定されたバス) ・デマンドバス(定期運行バスとは異なり、利用者からのリクエストに基づいて運行が決まるバス) において、その利便性が一層発揮されている。
立ちはだかる「手間」の壁
コード決済を活用した公共交通の普及は、クレジットカードのタッチ決済ほど注目を集めていない。しかし、複数の事業者による導入や実証実験がもたらすインパクトは非常に大きい。また、コード決済には交通系ICカードやクレジットカードに比べ、利便性の面でいくつかの課題がある。 コード決済では、スマートフォンを取り出して電源を入れ、アプリを立ち上げる必要がある。さらに、決済時には自分のスマートフォン画面に表示されたコードを読み取るか、事業者が提示するコードを読み取らなければならない。このように 「コードを読ませる」 手間が必須であるのに対し、クレジットカードは認識パッドにカードをかざすだけで瞬時に決済が完了するため、その違いが明確だ。 この手間が、公共交通におけるコード決済普及の大きな障壁となっていることは否めない。しかし、意外にも地域交通の空白地帯を埋める役割を担うコミュニティーバスや、時刻表に縛られないデマンドバスにおいては、コード決済の導入が進んでいるのだ。