ファッションエディター・大草直子 今パンツシルエットは太いのが主流でも、数年後ガラリと…おしゃれは「なる」ものでなく「する」ものと考えよう
◆情報に触れ、学び、進み続ける SNSの台頭で、おしゃれに必要なのは、知性、バジェット、センス(訓練で身につくもの)、のほかに情報が加わりました。 ネットサーフィンをすれば、今このタイミングで、アメリカのセレブリティやパリのインフルエンサーが、何を選び、何を組み合わせているかが瞬時にわかるように。 目まぐるしく変わるトレンドは、これまで以上に速度を増し、私たちの、すぐ横を通り過ぎていきます。 このスピード感は、実は、マチュア(婦人)世代にとって大切にしたいこと。 言い換えると、ミーハーさ、いや、運動神経と言っていいかもしれない。 ウエスト位置を意識したデニム選びや、ニットのサイズ感、スカートの丈。 何も奇抜なものや目新しいものだけを追いかけるのではなく、こうしたディテールの新しさを大事にしたい。
◆おしゃれは、「なる」ものではなく…… この記事を書いている2024年は、パンツのシルエットは太く、そしてカーヴィになり、それに伴い、ハイヒールが復権の兆しを見せています。 例えば、長年大切にしているジャケットに、思い切って太めのデニムを合わせれば、その人の着こなしはうんと新しく見えるのです。 ただし、数年後、あなたが読み返したタイミングでは、きっと、そのスタイルもがらりと変わっているはず。 「ずっと同じ」は、情報に触れていない、と同義だと思います。 情報に触れ、いるいらないをキッパリと判断し、そして、トレンドやカルチャーの背景を知り、学ぶ。 おしゃれは、「なる」ものではなく「する」ものだとすると、逆にこうして努力を続ければ、上達していくのかな、と思います。 外国語を習得すれば、海外旅行がスムーズになり、現地の人と友達になれ、深く豊かな体験ができる。それと同じです。 ※本稿は、『見て触って向き合って 自分らしく着る 生きる』(マガジンハウス)の一部を再編集したものです。
大草直子
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