京都で料理家が通う「知る人ぞ知る美味な居酒屋」イタリアンや創作料理…お酒が進む3軒
20代で京都暮らしを経験して以降、愛着ある京都に通い、居酒屋巡りを楽しんでいる“上戸(じょうご)”な料理家の真藤舞衣子さん。そこで今回は、酒肴に、酒に、店主のおもてなしが光る居酒屋を訪ね、案内していただきました。
To.(トゥ)[間之町押小路]
■次世代カルチャーを感じる、遊び心溢れる味と空間 「日本のイタリア料理屋」をテーマにした人気店「fudo(フウド)」の姉妹店として、よりカジュアルな“町の台所”のイメージで2020年にオープンした「To.」。 例えば豚の角煮ならシチリア産マルサラ酒の風味を利かせるなど、イタリア料理のエッセンスを遊び心たっぷりに取り入れた料理が楽しめます。 〈写真〉手前の料理は、粒マスタードをたっぷりのせた「豚のマルサラ酒の角煮」(1,150円)。奥は「金柑とサラミの白和え」(1,350円)。みかんサワーとともに。
キッチンとフルフラットになったカウンター席は、料理人の秋田将志さんをはじめスタッフとの距離感が近く会話の花も咲くそう。そんななかでおすすめのお酒を楽しむのも旅の醍醐味。 「居酒屋ならではの気負いのない雰囲気で自然とおしゃべりも。京都がぐっと近くなる気がします」と真藤さん。 【To.】 京都府京都市中京区高田町500 ポポラーレ御池 1F 営業時間/17時~23時(L.O.) 定休日/木曜
酒亭 ばんから [先斗町四条]
■しみじみと味わいたい滋味ある料理と熱燗酒 酒亭なので暖簾を出すのは“晩から”。だじゃれを利かせた名前のこの店は、先斗町の細い路地の先に徳利を描いた暖簾を掲げる知る人ぞ知る名店です。自らも大の日本酒好きという店主の山内茂和さんが手掛ける料理は、奇をてらわず旬の食材を生かしたものばかり。しっかりと出汁を利かせた一品一品に、思わず杯に手が伸びます。 「湯葉やあん掛けなど京都らしい料理と淡麗な味わいの日本酒がよく合って、しみじみとおいしく、時間を忘れてしまいそうです」と真藤さん。日本全国から仕入れる新鮮な魚のお造りや、冬場の熱々おでんも人気です。 〈写真〉料理は、上品な出汁の味わいが口いっぱいに広がる「海老芋の蟹餡掛け」(968円)。奥は聖護院大根酒盗のチーズ焼き(660円)。