就活の面接、対話型AIで練習 理系学生は3Dアバターと「技術面接」も
就職活動の企業との面接では、大学時代にやってきた活動をわかりやすく語ることが大切です。そこで、対話型AIを使って面接の練習する学生が増えてきています。中央大学では、OBが開発した「生成系AIによる就活面談練習システム」を導入し、理系学生の面接練習に活用しています。 【写真】「学歴フィルター」は都市伝説? 就活生が語る「体験談」
就職活動では、就活生の能力や人柄を知るために面接が重視されています。中央大学理工キャリア支援課の五十嵐星汝(せいな)課長は「理系と文系では対策がやや異なる」と話します。 面接では、企業側はコミュニケーション力や協調性を重視する傾向があります。文系学生の面接では、志望理由や自己PR、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)といった質問が多く、面接担当者はそのやりとりを通して学生の資質を判断するのが一般的です。 これに加えて、理工系学生が技術職や研究開発職への就職を志望する場合は、専門分野や研究内容についても聞かれる傾向があります。こうした理系特有の面接は「技術面接」として知られています。 「学部生はまだ研究が本格化していない時期なので、これから取り組みたい研究テーマや、これまでに学んだ内容について質問されることが多いようです。一方、大学院生の技術面接では、研究活動のことを主に質問されます。技術系の面接担当者が深掘りしてくるので、しっかり対策をする必要があります」(五十嵐課長) 中央大学では、その対策の一つとして、「技術面接セミナー」を実施してきました。企業の研究開発分野で第一人者として活躍している先輩や、責任者ポストに就いている理工学部・研究科出身の卒業生が面接担当者役となり、模擬面接を行います。 「本番に即した練習ができるだけでなく、面接後に直接指導が受けられるので就活生には好評です。ただ、日程や回数が限られているため、対応が十分とは言えません。また、面接に慣れていない学生は、卒業生の面接を受けても緊張してよくわからないまま終わってしまうこともありました。そこで2024年4月から、面接に不慣れな学生の初期対応として、生成系AIを使った就活面談練習システム『Chu活(チューカツ)ボット』を、理工学生を対象に導入しました」(同)