【101歳。ひとり暮らしの心得】時間が悲しみを癒す薬となる《日ぐすり》という言葉。日本語には、なんともいえない味わいのある言葉がたくさんある
101歳の長寿を全うした生活評論家、吉沢久子さんが綴った、毎日の小さな喜びを大切に、前向きに悔いの残らない時間を過ごす生き方。エッセイ集『101歳。ひとり暮らしの心得』(中央公論新社)から幸せな暮らし方の秘訣を紹介します。 * * * * * * * <生きていることが楽しくなる秘訣> ◆「日ぐすり」という言葉のやさしさをかみしめる 日本語には、誰が言い始めたのかはわからないけれど、なんともいえない味わいのある言葉があります。 「日ぐすり」という言葉も、そのひとつ。 以前、妹が亡くなってしばらくたってから、寂寥感に打ちひしがれている妹のつれあいに「日ぐすりという言葉を知ってらっしゃる? 今は一番つらいときかもしれないけれど、時間が薬になるので、一日一日を、ご自分を大切にして、妹の分まで生きてやってください」と申しました。 私も姑と夫を相次いで亡くした後、後片付けや事後処理が一段落してから、なんともいえないような寂しさが押し寄せてきました。 そのとき、「日ぐすり」という言葉を思い出し、自分を慰めたものです。
吉沢久子
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