サウジ「世界経済のハブ化」の現実…「金融オールスターが集う砂漠のダボス」そして“メッセージゼロ”の日本
同国は世界経済の「仲介役」を狙っている
サウジアラムコのヤシル・ルマイヤン会長の次の言葉が、同国の目指す国家像をよく示している。「不確実性が強まる世界において、資本を動かし、東西、南北の格差を埋められる国の存在が欠かせない。特色ある資源と戦略的な地理的位置に恵まれたサウジアラビアは(投資などの)仲介役となる」。すなわち「ハブ戦略」だ。 PWCの中長期経済予測によれば、サウジアラビアの経済規模は2050年に13位。23年の19位から順位を上げるものの、決して大国ではない。脱化石燃料の進展を展望すれば、「アラブの大国」「イスラムの盟主」の座に安住してもいられない。経済構造の転換とハブ戦略こそがサウジの国づくりの要諦であり、そのマニフェストを世界に伝える役割をFIIは果たしている。 FIIが始まった2017年は米国でドナルド・トランプ氏が第45代大統領に就任し、その特異な政治スタイルに各国・地域が身構えた年でもある。混沌の世界にあって、「砂漠のダボス」はサウジが存在感を保つための国家戦略として機能してきた。 日本が世界に発信するメッセージは何か……。ザ・リッツ・カールトン・リヤドに隣接した会場でカンファレンスの議論を聞きながら、自問せざるをえなかった。
小平龍四郎
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