石を「ペット」として育てる人がいる? 韓国でゆるく流行している「伴侶石」を体験してみて思うこと
石をかわいがり、育てる人たちがいる。自分を癒やしてくれるものは、何も動物や植物とは限らないのだ。今回は韓国でも知られるようになった「伴侶石」に関する話をしよう。 【画像】日本人が驚く「韓国のトイレ」事情
◆石を育てる人たちがいる!?
今春、いつもお世話になっている編集者さんとソウルで会った際、さまざまな日本事情についてお話を聞かせてもらった。いくらネットでニュースを見ることができ、何でも検索できても、日本にいないとどうしても拾いきれない情報や流行がある。 だからこそ韓国に遊びに来てくれた人たちから、日本のあれこれを聞くのはとても楽しい。 そのときに「日本では石を育てることを趣味にしている人もいる」という話を聞いたのだが、「いや、まさか!」と叫んでしまった。石を「飾る」だけにとどまらず、「育てる」という概念がピンとこず、にわかには信じられなかったのだ。 数カ月後、そんな話もすっかり忘れてしまっていた頃。掃除をするため、小学5年生になる娘の部屋に入ったところ……あったのだ、石が。もちろんそれまでも彼女の部屋で石を発見したことは何度もあった。形が気に入ったとか、色が変わっているとか、堀り出し物を見つけたような感覚で拾ってきたものだ。 自分にも覚えがあるが、外から石を持ち帰ることは子どもなら珍しいことではない。中国は宋の時代にも石を収集していた皇帝がいたというし、かの有名な『クレヨンしんちゃん』に出てくるボーちゃんの趣味も石集めではないか。石に魅力があるのは分かる。かくいう筆者も鉱石の図鑑を見るのは好きだ。 でも、今回の石はそういった類のものではなかった。小さなプラスチックの椅子の上に顔が描かれた石が置いてある、というか座っている。ご丁寧に麦わら帽子までかぶっている。「これ何?」と聞くと、「ちゃんと育ててるよ。時々洗ってるし」という答えが返ってきた。 「育てている?」「洗っている?」 そこでようやくピンときた。あのとき話題に出たあれのことか!と。