石を「ペット」として育てる人がいる? 韓国でゆるく流行している「伴侶石」を体験してみて思うこと
◆伴侶石を持つ者になってみて
そんなことを考えていた矢先、近所の雑貨店で「伴侶石育てキット」が売られているのを見つけた。 小さめの箱に入ったものが3000ウォン(約325円)、大きいほうは5000ウォン(約540円)。どちらもポップなデザインで手に取りたくなるかわいらしさがあった。パッケージには、「静かにあなたを守るかわいい伴侶石。一生あなたと一緒にいたいな」と書かれている。 ここで出会ったのも何かの運命。大きいほうを購入し、早速セッティングしてみた。石に付属の顔シールを張り付け、サングラスをつける。紙製のケースに紙製のわらを敷き詰めて浮き輪を置き、そのうえに石をそっと乗せる。 血統書ならぬ登録証のようなものに、自分で設定した石の名前と特徴、MBTIを書き込む。石の隣にお友達のマリモ人形も置く。ケースに窓際の風景が印刷されているシールを貼って完成。 こうして筆者も伴侶石を持つ者になった。洗ったり、着替えさせたり……育てるといえるようなことはまだしたことがないので、石からすると伴侶としての筆者はイマイチかもしれない。 そんな筆者の石は今、作業場のPCの横にいる。彼女の存在で癒やされているのかは正直まだ分からない。が、今日も静かに筆者を見守ってくれていることだけは確かだ。 ※レートは2024年11月28日時点のもの
▼松田 カノンプロフィール
在韓18年目、現地のリアルな情報をもとに韓国文化や観光に関する取材・執筆、コンテンツ監修など幅広くこなす。著書に『ソウルまるごとお土産ガイド(産業編集センター)』などがある。All About 韓国ガイド。
松田 カノン(カルチャーライター・コラムニスト)