ファッション感覚で乗っても似合う!?新型クラウン スポーツ PHEVに初試乗。センスの良さと類まれな信頼感こそ「RS」たるゆえんか?
ECOモードは少々おっとりし過ぎでは?
ドライブモードがNORMALでも十分流れはリードできるので、ほどほどのゆとり感(と言ってもそうとう速いけど)でOKなら十二分にアリ。 ECOでも試してみたのですが、こちらはあえておススメしません。発進時はもちろん、クルーズ状態(あくまで街乗り低速レベル)でもアクセル操作に対するツキが穏やかすぎて、フラストレーションがたまるような気がしたからです。 エンジンを始動させないためにはアクセルの踏み込み加減へのもちろん配慮が必要ですが、目的地から自宅まで往復30~40kmくらいの行程なら、EV走行一択で日々を過ごせそうです。自宅での充電インフラが整っているならなおさら、ガソリンはエマージェンシー用と考えていいでしょう。 さらに、最大50kWまでの急速充電にも対応しているので、出先での継ぎ足し充電でもストレスは少なくてすむはず。WLTCモード(20.3km/L)で単純計算すると、満充電90km分に55Lタンク満タン分を加えてトータル1206km走ることが可能ですが、急速充電も効果的に利用すればさらに超ロング&エコなツーリングが楽しめそうです。 SA充電の30分ルールでは、80%いっぱいまで継ぎ足すのは難しいものの、連続して充電しても効率が落ちることはないそうです。それなら充電時間のロスを考慮しながら。EV走行中心でのドライブ計画が立てやすいかもしれません。
チャージ中にも気持ちよさが持続すると、なお良し
一方、エンジンと電気モーターの協調制御を最適化するHVレンジでの走りはいかがなものでしょうか? スポーツRSのシステム最高出力は225kW(306ps)。数値的には、スポーツZ(HEV)の172kW(234ps)とクロスオーバーRSの2.4L デュアルブーストハイブリッド:257kW(349ps)の間に位置します。それはもう、遅いわけなどあるはずがありません。条件さえ許せば、強烈なダッシュ力を発揮してくれます。 もっとも、一般道の速度域では速さよりも、電気モーターとエンジン作動領域のシームレスな「分業」ぶりが好印象でした。意識してラフにアクセルを開けたり閉めたりを繰り返さない限りは、想像以上にエンジンの存在を意識することはなさそうです。 対照的に、CHARGEモードはかなりエンジンの主張が明確になっています。バッテリーの充電を行うためにほぼエンジンがかかった状態になるのですが、ややノイジーでレスポンスもかなりダルに感じられました。 「官能的であれ」とまでは求めません。ただ、もう少し操る楽しさをスポイルしない範囲で、音も含めた感性領域での「心地よさ」を高めてもらえると、さらにスポーツRSらしいエモーショナル感が高まるような気がしました。