ファッション感覚で乗っても似合う!?新型クラウン スポーツ PHEVに初試乗。センスの良さと類まれな信頼感こそ「RS」たるゆえんか?
E-Fourとショートホイールベースのマッチングも良好
「スポーツ」を謳う以上、走りの楽しさもまた重要なポイント。今回の試乗では、都内一般道のみを走りましたが、ワインディング路での走りの気持ちよさにも多いに期待していいでしょう。 発進時やコーナリング時には最適な前後トルク配分をまるでドライバーの意識と一体化しているかのように操ってくれるE-Four(電気式4WDシステム)は、クロスオーバー(G/X)と同系のメカニズム。スポーツRSでも、卓越したコントロール性を発揮してくれるはずです。 クロスオーバーRSに採用される「E-Four Advance」ほどのアグレッシブな制御は入っていませんが、それはもしかするとクロスオーバーに対して80mm短いホイールベースに対応した最適解なのかもれません。 クロスオーバーでも違和感のないシャープなハンドリングをサポートしてくれたDRS(ダイナミックリアステアリング)もまた、ショートホイールベースなスポーツの特性に合わせて、ゲインをやや低めた味付け。ドライバーが積極的に操る楽しさが、より身近なレベルで楽しめそうです。
タイヤ、ブレーキのアップグレードが安心感につながる
精密な駆動制御とともに、HEV仕様に対しておよそ200kgも増えた車両重量が、街乗りでは「重厚感=質感の高さ」という恩恵につながっているように思えました。なにしろ乗り心地が良いんです! クロスオーバーに対して10mm幅広に設定された21インチの大径タイヤ、ショートホイールベース化はともすれば対アンジュレーション、突き上げなどの面でネガティブ要件につながりそうですが、スポーツRSでもそれらの不快感を見事に「丸めて」います。 スポーツZをベースに、フロアトンネル部にブレースを追加することで、ボディ剛性の最適なバランスを追求。それに合わせた前後ショックアブソーバの摩擦特性や減衰力特性の最適化は一般道レベルでも、コーナリング時のフラットな姿勢など確かなスポーツ性能を感じさせてくれました。同時に、日常遣いにおける心地よいしなやかさ、というメリットをもたらしているようです。 本質はスポーティな走り向けと思われながら、しっかり心地よさにつながる走りのデバイスと言えば、スポーツRS専用の20インチ対向6ピストンアルミキャリパーも、上級感の向上に貢献しています。 2トンを超えるボディながら、ブレーキペダルを踏み込めば欲しいだけの減速Gをスムーズに生んでくれるので、流れをリードするような走りでも安心感が違います。ワイドタイヤの採用と合わせて単なる絶対性能とは違う意味で、スポーツRSの洗練された操りやすさを支えているデバイス、と言っていいでしょう。