過敏性肺炎の原因カビ菌抑制にナノイーが効果 パナソニックが検証、99%以上殺菌
パナソニックは、大阪公立大学・向本雅郁名誉教授の監修の下、過敏性肺炎の主な原因となるカビ、トリコスポロンなどに対するナノイー(帯電微粒子水)の殺菌効果を確認した。45リットルの試験空間の中で、ナノイーを照射した結果、99%以上の殺菌効果が判明し、ナノイー技術が夏型過敏性肺炎への対応策の一つの手段として期待が高まる結果となった。 【関連写真】リビングには夏型過敏性肺炎の原因や健康に影響を及ぼすカビ胞子が潜んでいる 過敏性肺炎は、カビが空気中に放出する胞子を繰り返し吸い込むことで、発症する病気(アレルギー)。症状は主にせきや発熱、息切れ、胸痛などで、風邪やウイルス感染症に似ているが、風邪薬は効かない。 同社は、これまでナノイーによる家のクロカビやアカカビなど8大カビへの殺菌効果や未検証の有害なカビ3種への殺菌効果、殺菌メカニズムの一部解明を行ったが、過敏性肺炎の主な原因となるカビであるトリコスポロンに対する効果検証は行っていなかった。 そこで、新たにトリコスポロンに対する効果検証を行い、99%以上の殺菌効果を確認。これまでの検証結果(クロカビ、カンジダ)と併せて、過敏性肺炎の原因の7割を占める病原カビ3種全てに対するナノイーの殺菌効果を証明した(実使用空間ではなく試験空間のみの検証結果)。 病原性微生物の感染・増殖制御に関する研究などが専門の向本名誉教授は「過敏性肺炎に対して、ナノイー技術の病原カビに対する抑制効果を実証できたことの意義は大きい。夏型過敏性肺炎への対応策の一手段として大きな期待が持てる」と話した。
電波新聞社 メディア事業本部 報道部