議論が論破合戦になり、最後はただの口喧嘩に…。意味のある話し合いをつくる8つのルール
6. 考えが変わる可能性を否定しない
「オハイオ州では移民がペットを食べている」と示唆する物言いが悪意に満ちているか否かという議論をする場合は、たしかに、偏見なしに相手の意見に耳を傾けようとは思えないかもしれません。 それでも、人々が根本的な関心を持つのではなく、自分の意見だけに固執すれば、議論は行き詰まってしまいます。 各自が持つ見解の背景には、どのような懸念や動機が潜んでいるのかを見つけ出すべく努めましょう。そうすれば、思いがけない点で合意できることが明らかになり、解決への新たな可能性が開けるかもしれません。 同じように、納得のいく証拠や主張が提示された場合は、自分のほうが考えを変えてもかまわない、という誠実な意思をもって、議論をはじめましょう。 最終的に自分の考えを変えることがなかったとしても、そうした姿勢があることで、より生産的にやりとりを交わすことができます。
7. 共感する練習をする
意識して、相手の意見に共感するよう努めましょう。 相手の理論的な主張だけでなく、そのテーマに対する感情的な思い入れも理解するように努めてください。 相手の気持ちを認めると、信頼関係の育成と建設的なやりとりが大いに促されます。
8. 事実と解釈を分けて考える
どのような議論であれ、客観的事実と主観的解釈を区別することは不可欠です。 自分の主張内容について、どれが客観的事実で、どれが主観的解釈なのかを明確にしましょう。 また、相手が提示してきた情報が、客観的なのか主観的なのかわかりにくい場合は、明晰な説明を求めましょう。 そうすることで、基本的な事実というよりは、事実の解釈や意見に関して合意できていない、ということに焦点を当てやすくなります。 そういうプロセスのなかで、議論の相手が事実をそっちのけにしているとすれば、自分が本当に苦労しているのは「共通の土台を見つけること」なのだと理解できますし、共通の土台を見つけるのは不可能かもしれません。
一番重要なのは「勝つことではなく発展させること」
議論をするときの目標は、「勝つ」ことではなく、問題を進展させることだと考えるようにしましょう。 それはつまり、たとえ何らかの解決策について一致をみなくても、妥協点を探り出し、なんらかの共有できる原則で合意する場合があるということです。 残念ながら、こうした戦略を用いて議論に臨むときには、練習と忍耐が大いに必要です。 また、私個人の経験から言わせてもらうと、何度もプライドを捨てることになります。これは必ずしも簡単ではありません。心に深く根差した信念や、感情をかき立てられる話題について議論する場合は、なおさらです。 しかし、ここで紹介したルールを精一杯守るようにすれば、より配慮が行き届いて生産的な議論の場が生まれ、満足のいくやりとりができるでしょう。 忘れないでください。議論の目標は、相手を打ち負かすことではなく、理解を深め、ともにより良い解決策を見つけ出すことなのです。 Source: PBS
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