議論が論破合戦になり、最後はただの口喧嘩に…。意味のある話し合いをつくる8つのルール
議論に「勝つ」方法はたくさんあります。ただ単に、相手を誘導したり、罵倒したり、あるいは卑劣な言葉を投げつけたりという手もあるでしょう。 意見が二極化して社会が分断され、議論が(控えめに言っても)過熱しがちな時代にあっては、配慮が行き届いた生産的な議論をすることが無意味に思えてしまいがちです。 議論に「勝つ」戦術が数多くある一方で、真に建設的なやりとりを交わしたいなら、理解と尊重を何よりも優先する姿勢で臨む必要があります。 以下では、誠実さをもって対話し、互いに理解を深めたいと心から思っているときに活用できる戦略を紹介します。 目次 1. 基本ルールを定める 2. アクティブリスニングを実践する 3. 共通点を見出す 4. 「私」を主語にして意見を述べる 5. 説得ではなく好奇心を優先させる 6. 考えが変わる可能性を否定しない 7. 共感する練習をする 8. 事実と解釈を分けて考える 一番重要なのは「勝つことではなく発展させること」
1. 基本ルールを定める
フォーマルな議論かどうかにもよりますが、議論するにあたっては、基本ルールをいくつか定め、それに合意しておくと役に立つかもしれません。 争点となっているテーマについて議論をはじめる前に、相手に次のようなルールを提案しましょう。 個人攻撃や誹謗中傷はしない 交代で意見を述べ、相手の発言中は口を挟まない 意見が食い違っても、相手への敬意を忘れない 感情が高ぶったときは、合意のうえで休憩を取る このようなルールを定めておけば、議論の最初から最後まで、建設的に話し合いを進めていく雰囲気を保てるようになります。
2. アクティブリスニングを実践する
議論をはじめる前に「相手の発言には誠心誠意、注意深く耳を傾けよう」という誓いを立てましょう。 アクティブリスニング(積極的傾聴)とは、自分が発言する順番が来るまで、ただ待っていればいいということではありません。発言している人に全神経を集中させ、たとえ同意できない場合でも、相手の考え方を理解するべく努めるという意味です。 相手が発言を終えたら、すぐさま反対意見や自分の考えを述べようとしてはいけません。相手の意見を正確に理解するための質問をしたり、要約したりして、きちんと理解できているかどうかを確認しましょう。 そうすれば、相手側も、自分の主張がどのように聞こえるのかを確認することができます。 アクティブリスニングを実践すれば、自分は相手の見方を尊重している、という姿勢が示せますし、相互理解を促す雰囲気が生まれます(アクティブリスニングのスキルを向上させるコツを紹介したこちらの記事をご覧ください)。