議論が論破合戦になり、最後はただの口喧嘩に…。意味のある話し合いをつくる8つのルール
3. 共通点を見出す
議論をはじめる前に、まずは現在合意できている点について確認しましょう。 そうすれば、共通した価値観や利害という土台ができ、話し合いを進めるなかで、相違点を埋めやすくなります。 たとえば、議論前に率直にこう言ってみましょう。「意見の食い違いについて話し合う前に、この問題について私たち双方が同じ意見を持つ点について、話してみませんか?」と。 共通点が少しも見当たらないなら、議論をはじめても無意味であり、時間の無駄かもしれません。 共通点を見出すことで、双方とも血の通った人間だと思えるようになり、自分たちは1つのチームとして最善の結論を導き出そうとしていることを、誰もが思い出せるでしょう。
4. 「私」を主語にして意見を述べる
これは、ずっと以前から存在するアドバイスであり、それだけ重要なものです。 「あなた」を主語にして、相手を非難するのでなく、「私」を主語にして、主張を組み立てましょう。 たとえば、「あなたはこの件について、完全に間違っています」ではなく、「私は、この問題について異なる考えをもっています。その理由は…」と言うようにします。 私がこれまで相談してきたファミリーセラピストたちの言葉をまとめると、このアプローチには次のような意味があります。 自分の感情や意見について責任をもつ 相手が防衛的な姿勢に入らないようにする 相手の見方を非難するのではなく、「自分にとっての世界の見え方」に集中し続ける
5. 説得ではなく好奇心を優先させる
以前も記事で書いたように、人と話をするときには、「議論の出来栄え」より、好奇心を優先させることが重要だ、と私は確信しています。 同様に、誰かと議論したり、意見の食い違いについて話し合ったりするときは、自分の主張を証明しようとするだけでなく、純粋に好奇心を働かせて、相手から学ぼうとする姿勢で臨むべきです。 相手の見方について、自分が理解不足かもしれない点は何か? 相手がそうした見方をするようになった経緯は何か? 意見がこのまま平行線であっても、このやりとりから学べることは何か? マインドセットをこのように転換すれば、言い争いになりそうな場合でも、自らを成長させ、理解を深める機会へと変えることができます。