【婦人科医・二宮典子さん(43)の更年期ストーリー】人生初の性交痛を体験し、更年期の予兆を感じています
女性泌尿器科医として、フェムケアやGSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)にいち早く取り組み、更年期世代の相談しにくい悩みに対応する二宮典子さん。自身「人生初の性交痛を体験し、更年期対策もはじめた」という二宮先生に、43歳の現状を、具体的に語っていただいた。
《MY更年期STORY》 30代後半、性行為でも自身で腟まわりを触っても、乾きやすくなっていると気づき、腟レーザーマシンでのケアを本格化。42歳で、月経不順と初めての性交痛を体感。ノーパンライフを続ける中、自身で処方している腟剤を入れるなどのケアも行うように。現在は卵胞刺激ホルモン(FSH)もE2値も平常値でHRTの予定はなし。
人生初の性交痛を体験。更年期の予兆を感じています
◆30代後半、性行為中に腟の乾きやすさを実感! 現在43歳。婦人科でいう「生殖年齢」にあたる10代後半~30代前半まで、月経不順や膀胱炎などもなく、ほとんどノートラブルで過ごしてきたという二宮先生。 「それが30代後半頃から性行為の際、『あれ? 腟が乾きやすくなった?』と感じるようになったのです。患者さんにもお伝えしているように、自分で外陰部を見て、触る中でも、腟まわりが乾きやすくなっていることに気づきました。それ以前から、当院に導入したタイミングで腟レーザーのマシンを自分でも時々使用していたのですが…。当時はトラブルがなかったためか、効果のほどを実感できずにいました。 ところが42歳で初めて『性交痛』の初期症状を実感! 月経の期間も明らかに短くなり、以前は1週間続いた出血が、2~3日へと量も期間も前倒しになり、すぐに終わるようになりました。卵胞刺激ホルモン(FSH)は平常値ですが、そんな体の変化から、『更年期に入っていくんだな』と感じている最中です。 性交痛や腟の乾きを感じたとき、ケアをせずに放置すると、膀胱炎につながるリスクが高まります。腟まわりの細胞や尿道の粘膜が痩せて水分量が減ると、性行為や洗いすぎなど、物理的な摩擦が入ったときに細かい傷ができてしまい、雑菌が侵入しやすくなってしまうためです。 きたる更年期に向けて、腟レーザーマシンも月1回(×3回照射)定期的に行うようにしました(当院には「モナリザタッチ」「インティマレーザー」、超音波と高周波の「ウルトラフェミー」の3台があります)」 マシン以外で実践しているのは、30代前半から続けている「(睡眠などのリラックスタイムは)ノーパンで過ごす」こと。下着もなるべく、綿混のものを選んでいるそう。 「腟はもともと程よい通気性と湿度がある環境で、安定した状態になります。小陰唇から腟の中を最適な湿潤環境に保つには、陰部の皮膚粘膜への摩擦、物理的負荷をなるべく下げることが大切。患者さんにも乾燥と摩擦の点から、おりものシートはなるべく使わず、『汚れたら下着を替える』ことを推奨しています。 45歳を越えたら、仕事の活力や疲れにくさ、筋肉量のキープ、記憶力の維持などの効果を期待して、男性ホルモン作用のあるDHEAサプリを使用することも検討中です(購入はネットショップではなく、婦人科や泌尿器科など、取り扱いのある医療機関をおすすめします)」