「うちの子、発達障害かも?」と思ったら。最初の相談先、本人やきょうだいへの伝え方について言語聴覚士 原哲也先生が答えます
「うちの子、発達障害かもしれない」と思ったら
我が子が発達障害かもしれないと思った時、多くの人は「どうしたらいいかわからない」と戸惑ってしまうのではないでしょうか?この記事では、『発達障害の子の療育が全部わかる本』の著者であり、言語聴覚士・社会福祉士でもある原哲也先生に、最初の動き方や療育についてお聞きしました。 ■発達障害に気づくためには 自分の子が「発達障害かもしれない」と気づくために、親はどのようなことに注意して子どもを見ていったらいいのでしょうか。 原先生によると、きょうだいがいる場合は上のお子さんと比較して、“何かちょっと違うな”と気づきやすいのですが、初めてのお子さんの場合はわかりにくく、「子どもはこういうものだと思っていました」と言われることが多いのだそうです。 「初めてのお子さんの発達で気になることがある場合、家族や子育て経験がある第三者の意見を聞いてみてください。時には、ご両親にとって受け入れにくいことを言われることもあるかもしれませんが、第三者から言われた言葉が頭に残っていると、子どもの発達障害に気づくきっかけになります」。 第三者から言われたことをご両親の中ですぐに受け止められなくても、頭の片隅に留めておくことで、生活のしづらさが出てきた場合に次のステップに進みやすくなります。 ■支援の窓口、どこに相談に行ったらいい? 発達障害がある子の支援の窓口として、原先生の著書では以下の4つが挙げられています。 ①市区町村の障害者福祉関係課 ②児童発達支援センター(18歳以下)か発達障害者支援センター(18歳以上) ③市区町村や県の教育委員会 ④児童相談所や子育て支援センター 初めて相談に行くにはハードルが高く感じる保護者もおられるかもしれません。最初にどこへ相談に行ったらいいのでしょうか。 これについて原先生は「まずは一番相談しやすい人で大丈夫」と言います。 保健師さんや保育園の先生、子育てセンターの先生などもいいかもしれません。そこで、もっと詳しい話を聞きたいと思ったら専門家につないでもらい、話を聞きに行ってみてください。 ■医療機関には行った方がよい? 子どもに発達障害が疑われる場合は、医療機関を受診し、つながっていたほうがいいのでしょうか。 原先生によると「医師は、何百人、何千人のお子さんを診ているため、お子さんの状況を的確に把握してくれます。そして、今だけでなくその先の小学校や中学校、高校、就職…と長期的にさまざまなお子さんの事例を知っているので、成長とともにさまざまな壁にぶつかった時にも、相談しやすいでしょう」とのことです。 ただ、医療機関では何かしらの「診断」がつくことがあるから不安という保護者もおられるかもれません。日々、多くの保護者から相談を受ける原先生は、保護者の葛藤もわかるので、とりあえず受診してみなさいとは言わないそう。 「受診は、次のステップに進む助けになることがある一方で、親にとっては大きく心をゆさぶられる出来事。病院に行くのは、ある程度受け止める覚悟が持てたタイミングが良いかもしれません」。