SF決勝後のグリッドでパーティを初開催……発案者の大湯都史樹にその思いを聞く。新規ファン開拓の鍵となるのは「サーキットに来る理由」
週末を通して5万人近い来場者を集め、近年稀に見る盛り上がりを見せた第1回瑶子女王杯スーパーフォーミュラ第4戦。白熱のレースが終了した富士スピードウェイでは『アフターレース・グリッドパーティー』が初めて実施され、ファンや関係者がホームストレート上に詰めかけた。 【動画】感動の“夫婦同日優勝”! 2024年スーパーフォーミュラ第4戦富士:決勝ハイライト ホームストレートもといパーティ会場では、参加者がフリードリンクやキッチンカーの食事を片手に、ステージでの様々なトークショーや、DJサウンド、そしてライブなどを楽しんだ。さらにステージ上には参戦する全ドライバーが集結。パーティチケットを購入したファンだけでなく、グランドスタンドにも多くのファンが残ってその様子を見届けていた。 実はこのイベント、発案・提案したのは参戦ドライバーのひとりである大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)だった。モータースポーツを盛り上げたいという気持ちが人一倍強く、これまでにも自身で様々なイベントを企画して多くの人たちを楽しませてきた大湯が、またひとつ大きなアクションを起こした。 大湯が大切にしているのは、モータースポーツと接点がなかった人たちに、いかにレースに興味を持ってもらえるか。そのため彼のビジョンは既存の枠にとらわれない。「超理想だけを言うなら、渋谷のスクランブル交差点で、クルマやカートを使ったレースをやれたらいい」と語る大湯はこれまで、初心者でもカートの楽しさに触れられる“カート運動会”を開催したり、東京のど真ん中でイベントを開催して人気お笑い芸人をゲストに呼ぶなど、単なるファンイベントとは一線を画した試みにトライしてきた。 そして今回、大湯はアフターレース・グリッドパーティーの開催に一役買ったわけだが、その狙いも、モータースポーツ好きではない人たちも含めて多くの人がサーキットに来るための“きっかけ”を作ることだったという。 また、今回は1回目の開催ということもあり、従来グランドスタンド裏のイベント広場で実施していたトークショーの発展形のようなフォーマットとなった。大湯としてもこの形に満足しているわけではないが、「まずやってみる」ことができたのは非常に大きなことだったと感じている。 大湯はmotorsport.comに対し、次のように語った。 「今回はトークショーメインのような形になりましたが、本来であれば色々なアーティストやDJがずっと場を盛り上げていたり、何かのパフォーマンスが行なわれていたり……(というのが理想)。そこは何でもいいんです」 「サーキットは広く使えますし、色んなことができる場所です。そこで何かしらのイベントが夜に行なわれることで、それを見たい人がサーキットに来る……そういう場を作りたいという思いがあります」 「ただ今回は『とりあえずやってみよう』ということです。まずやってみないことには、内側にいる人たちも『良くなるよね』という確証を得られないですし、予算もかけられません。でも瑶子女王もいらっしゃってましたよね! そこにも驚きましたし、グラスタで見てくださっている方もいました」 「今回僕が何かをできたということはないですが、こういった提案に運営側の皆さんが動いてくれたことは、僕自身ありがたかったですし、共感してくれた人が多かったことがまず嬉しかったですね」 「これだけ多くの人が集まって楽しんでくれたことは、スーパーフォーミュラ、そして日本のレース業界の大きな一歩になったんじゃないかなと思います」
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