アルピナ製BMW5シリーズ全7世代をテスト!5シリーズはアルピナブランドの心臓であり魂だ
530馬力の最後の拡張ステージ
その代わり、「B5ビターボ」は快調なスタートを切った。最初の2年半で、500馬力と700ニュートンメーターを発揮し、428台のサルーンと119台のツーリングの顧客を熱狂させた。後半には530馬力、725ニュートンメーターと、BMW「M5」を凌ぐ性能を発揮した。120台のノッチバックと59台のエステートカーは、それでもフルスロットルを厭わない顧客を見つけた。望む者は誰でも、「E60/61」の「アルピナ5シリーズ」で初めて時速300kmの壁を破ることができた: ツーリングは当初310km/h(後にSとして313 km/h)で、サルーンはさらに4km/h速かった。つまり、2000年代のスーパースポーツカーと容易に競合できたのである。また、驚くべきことに、これほどのパワーにもかかわらず、「B5」は路面をしっかりと確実にグリップし、ドライバーへの負担ははるかに弱い「E34-B10」よりもはるかに少なかった。しかし、そのありのままのフィードバックは、豪華な内装とオートマチックギアボックスのどこかで失われていた。最高のパフォーマンスを発揮する割には、我々が運転した「E61」は優等生的でエキサイティングではなかった。
B5ビターボはコンフォートもスポーツもできる
「F10ビターボ」は、悪いわけではないが、ラグジュアリー感が強い。数十年にわたる車両開発の歴史が、これほど顕著なものは珍しい。旧型「5シリーズ」がステアリングやシャシーを通じてドライバーとコミュニケーションを取ろうとしていたのに対し、「B5」はオプションの音声入力システムを注文した場合のみ話しかけてくる。冗談はさておき、アルピナクラシックと比べると、ステアリング、サスペンション、加速、ブレーキなど、すべてのドライビングインプレッションがより合成的に伝わってくる。その一方で、当時の文脈で見れば、「F10」は今でも辞書に載るようなスポーツサルーンの定義であると考えられている。「F10」は、アッパーミッドサイズクラスが長い年月をかけてどれだけ進化してきたかを示す最も明確な例である。昔はスピードを上げてコーナリングすると、スポーツシートのサイドボルスターが肋骨に押しつけられたものだが、現在ではもはや許容範囲とはみなされない。かつては、ロールを抑えられれば、ダンパーが段差のショックをいなせなくても問題はなかった。昔とはスポーツカーに対する理解が違っていただけなのだ。セダンが欲しければ、メルセデスのディーラーに行ったものだ。
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