アルピナ製BMW5シリーズ全7世代をテスト!5シリーズはアルピナブランドの心臓であり魂だ
しかし、我々の手元には、最低ブースト圧と最高ブースト圧がそれぞれ0.05バールずつ引き上げられた後期の「Sバージョン」がある。これと、何よりも3.5リッター6気筒エンジンの登場で、「B7 Sターボ」は正統派のスーパースポーツカーとなった。当時の「フェラーリ308」が「B7」に対抗できる要素は、加速でも最高速度でもあまりなかった。
ビルシュタイン製コンポーネント、ベンチレーテッドディスクブレーキ、ミックスドタイヤは、地味なアッパーミッドレンジクラスで存在感を示した。当時、パワーサルーンという言葉を聞いたことがある人はほとんどいなかった。そのため、まず顧客に紹介する必要があった。アルピナは4年間で209台を販売したが、そのうちパワフルな「Sモデル」はわずか60台だった。
パワー5シリーズの苦難のスタート
「E28」ベースの後継モデルは、6年間で少なくとも855台を販売することになった。ベースとなったのは「M30」の2バルブエンジンだが、大幅な改良が施され、基本的なパワーが向上したため、目標の300馬力を発揮するには0.7バールのブースト圧で十分となった。両車の走りは、その基本的な形状から想像されるように似ている。「E28」の方がよりモダンに見えるが、それはバロック調のインテリアが少なくなったからに他ならない。ゲトラグ製ドッグレッグギアボックスを備えた「E28」は、当時アルピナが強調していたツーリングカーの魅力も醸し出している。 サスペンションは現在の基準からするとソフトだが、当時はとんでもなくスポーティだったのだろう。その一方で、ターボブーストがリアアクスルにまったく当たらず、しかも唐突にかかる。いわゆる“ドッカンターボ”だが、これもまた、このようなクルマに他の方法は望めなかったであろう、当時の特徴である。
E34世代での大きな飛躍
大きな飛躍は、完全に再設計された「E34」世代で続いた。より硬く、より重く、より大きくなった「E34」は、同様に優れたドライビングバリューと、より調和のとれたレスポンスのために、より大きなパワーを必要とした。そして、ブースト圧を調整するロータリーノブや、初めて採用されたトラクションコントロールをオフにするボタンなど、長年にわたって親しまれてきた機能はそのまま受け継がれた。
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