55歳富岡佳子さんインタビュー「変わらない、変わっていく私」
読書も、新聞を読むのも変わらない習慣。気になった言葉や記事、思いついたことをノートに書きとめることもずっと続けているという。最近、増えた楽しみは島への旅。昨年は友人や家族を誘い、国内のいろいろな島を訪れたとか。島で空と海だけのシンプルな景色や朝日、夕日を眺め、“無”になる時間がとてもパワーチャージになると語る。 【写真】富岡佳子さんが着こなすトレンドファッション
「希望」と思っていただけるかぎり道があるなら挑戦しつづけたい
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「心に残る“ことば”の記憶」
以前、本を出版したときに、ライターさんが過去の私のインタビュー記事すべてに目を通してくださって。「毎回ブレずに同じことをいっているね」と。それならばと、インタビューの言葉をノートにまとめてみたのがきっかけです。以来、疑問に思ったことや、新聞や本を読んで気になる文や言葉を書きとめたり、クリッピングしたり。特に朝日新聞のコラム、哲学者の鷲田清一さんの「折々のことば」は必ず読み、よくメモしています。新聞を読むとファッションが時事と連動しているのも感じます。
「知らない世界に触れる“読書”の楽しみ」
乱読ですが、手にとるのは心が“無”になれる本が多いです。時代背景や文化が、現実とは違えば違うほど、没入感があって夢中になれ、“無”になれます。一方で、哲学書を読むのも好きで、人生観が変わるような文章や言葉に出会えることも。本屋さんに並ぶ、芥川賞や直木賞、本屋大賞などを受賞した作品もチェックしますが、あえて友人や仕事仲間のおすすめを教えてもらい、読むようにもしています。ふだん、自分では手にとらない本に出会え、発見、感動があるので。
「自分だけの景色に出会う“旅」
名所や遺跡を見るのも好きですが、海と空だけのような、もっとプリミティブな景色に惹かれます。頭を空っぽにして海や空を眺める、“無”になる時間を大切に。それこそが旅で得られる真のラグジュアリー体験だなと最近思います。自分自身がナチュラルでいるためにも、ナチュラルなものを吸収したいんです。