本当につくる必要があるのはTo Doリストじゃなくて「To Don'tリスト」
「To Doリスト(やるべきことリスト)」については、よく知られています。けれども本当に必要なのは、「To Don'tリスト(やらないことリスト)」かもしれません。 やるべき仕事ばかりに目を向ける代わりに、やらなくても良いこと、やるべきではないことを考えるほうが役に立つ可能性があります。 時間の無駄のように聞こえますが、実際にはそうではありません。 時間的な優先順位を付け、本当に重要なことに集中するためには「注意を払うべきでないこと」を明確に把握することが大切なのです。 To Don'tリストは2つあるので、知っておくべきことを説明しましょう。
1. 悪しき習慣
最初につくるべきTo Don'tリストは、避けるべき悪しき習慣について。つまり、目標を達成するために足かせとなる習慣のことです。 こうした習慣には、明白なものもあれば、気づいていないものもあるかもしれませんが、書き出してみると、次から次へと出てくるはずです。 いくつかの例を挙げておきましょう。 (例) 予定より早く/遅く寝たりせず、時間どおりに就寝し、朝にはスヌーズボタンを押さない。 メールの返信を先延ばしにしない。 休憩や昼食を抜かない。 締め切り直前まで、あるいは仕事を離れる必要が出てくるときまで、仕事を溜めこまない。 「オフになるとき」の区切りを設けず、昼夜を問わず働かない。 リストを作成すれば、自分が直面している問題点が見えてきます。 毎週月曜日の朝などに時間を設けてリストを確認し、先週リストに書いたことをしないようにできたかを洗い出して、克服したものは削除。 新たに出くわした問題点を書き加えましょう。 一見単純そうに見えますが、すべてを書き出すことで、ロードマップを得ることができます。 そして、悪しき習慣を克服する際に集中すべき具体的なことがわかります。
2. やらなくても良いタスク
生産性向上の手法の多くは、職場やチーム、あるいはさまざまな責任において、特に自分が貢献すべきことに焦点を当てています。 けれども、優れた手法のなかには、ほかの人に仕事を任せる余地を残しているものもあります。 自分には対応できないような、もしくは自分でなければならない理由がないような依頼や新しい業務に対して「NO」と言えることは、誰もが、もう少し上手に育むべき特別な才能です。 そのための1つの方法は「自分のものではない仕事」をリストアップしておくことです。 明確な境界線を設定し、それを守れるように、次のような事柄を含むリストを作成してみてください。 グループプロジェクトにおいて、ほかの人の責任を引き受けない。 コミュニケーションを拒否している人については、フォローしない。 返事をもらえそうにないメールのために時間を浪費しない。 ほかの人たちの仕事のスケジュールを立ててあげたりしない。 既存タスクに関して目途がつくまで、プロジェクトの新しい要素に同意しない。 「制限を設けていること」を実際にメモしておくと、その一線を守るのに役立ちます。 また、To Don'tリストに載っていることを誰かに頼まれたときに、何と答えるか、考えておくことも役に立ちます。 リストがあれば、シンプルに「この件について私のことを考えていただき感謝していますが、現時点では私のスケジュールにその余裕がありません。やるべきことが終わったらお知らせします」と答えられるはず。 リストを作成したら、それを常に参照しましょう。 PCの横や携帯電話のメモ帳など、目につくところに置いておき、やらないことを書き出したリストの力を借りつつ、本来のTo Doリストに取り組みましょう。 訳: 風見隆(ガリレオ) ──2023年11月16日の記事を再編集のうえ、再掲しています。
ライフハッカー・ジャパン編集部