〈KOYORI〉の新作が、コペンハーゲンで発表に。マイケル・アナスタシアデスとガムフラテージに聞きました。
●ガムフラテージ「木肌の美しさと職人技が際立つデザインを目指しました」
ーーこれまで〈Miau〉〈Edaha〉の2シリーズを発表されていますが、今回は〈Kigo〉と〈Uribo〉の2つのシリーズを新たに発表されました。 いずれもホワイトオークとウォルナットの無垢材製で、〈飛騨産業〉で製作されています。木肌の美しさと職人技が際立つデザインを目指しました。
〈Kigo〉はイサム・ノグチの彫刻にインスパイアされた作品で、4つの異なるデザインのローテーブルです。ホワイトオークとウォルナットという色目が異なる木材を使い、天板に異なる木材の丸いトレイをはめ込んでいます。デザインは4つあり、それぞれに彫刻性を持たせましたが、複数を組み合わせれば、さらに彫刻的なインパクトがあるかと思います。 ーー異なる木材のつなぎ目がほぼ見えないぐらいスムーズです。 高い技術と木について高い知識と経験を持つ〈飛騨産業〉ならではの完成度だと思います。仕上げはもちろん手作業です。トレイの部分には何かモノを置いてもいいし、そのままでもいいし。少しカーブがついているので、ドリンクなどを置くのには適しませんが、使い方は無限にあるでしょう。
ーー〈Uribo〉は、スツールですね。 こちらは〈飛騨産業〉で製作されてる柳宗理の椅子にインスパイアされてデザインしたものです。柳の椅子では背もたれに厚みのある曲木の無垢材が使われています。この厚さで曲げられるのはすごい技術です。これと同じ技術を使って何かを作りたいと思い、スツールをデザインしました。高さは2タイプあり、こちらもホワイトオークとウォルナットの2素材で展開しています。
ーー〈Miau〉のシリーズにもラウンジチェアが加わりました。 はい、既存のダイニングチェアより低くてワイドで、ゆったりくつろげるようにデザインしてあります。無垢材は手触りがよく、使い込むと味が出ます。名前の〈Miau〉はネコの鳴き声ですが、ネコみたいに撫でて可愛がり、育てる家具をイメージしています。 ーー今回は提灯が並ぶ会場のインスタレーションも手がけられていますが、日本との出会いはいつになりますか? 2004年に建築家の槇文彦さんのところで半年インターンをしたのが最初です(スティーネ・ガム) ーー昨日、槇さんの訃報が発表になったのはご存知ですか? え? そうなんですか! それは本当にショックです。短い期間でしたが、槇さんからは本当に多くのことを学び、あの体験があるから、今、こうして日本のメーカーとの仕事ができているように思います。感謝の気持ちでいっぱいです。
text_Megumi Yamashita editor_Keiko Kusano