総裁選“スタートダッシュ”大成功の高市早苗氏 世論調査でトップ争いも「初の女性総理」誕生に必要な「2つのイメージチェンジ」
支持層を増やす必要性
一方、高市氏は国政レポートを党員に郵送し、総裁選の選挙管理委員会から「今月4日から政策パンフレットなどの郵送を禁止している」と注意を受けた。 「選挙管理委員会のルールに抵触は絶対しない」と高市氏は反論したが、岸田文雄首相が口頭注意以上の対応が必要だと選管に要請するなど、今も波紋が広がっている。 とはいえ、高市氏が“自民党員にパンプレットを送った”という事実は大きい。発送の手間暇や送料の負担を考えれば、簡単にできることではない。鈴鹿氏は「これも“入念な準備”の一つだと考えられます」と指摘する。 「『何が何でも総裁選に出馬する』と強い意思を持ち、準備を重ねてきた候補者の筆頭は高市さんと石破さんでしょう。お二人が世論調査で先行していると報じられているのは、ある意味で当然だと思います。ただし、総裁選の投開票日は9月27日の金曜です。まだまだ選挙戦は長く、メディアが有力と報じる候補者の名前は、これから二転三転してもおかしくありません。高市さんが序盤のリードを維持し、女性初の首相に就任するためには、もっともっと支持層を拡げる必要があります」(同・鈴鹿氏)
女性有権者が弱点!?
鈴鹿氏によると、選挙に勝つ定石は「節目、節目で候補者の意外な素顔を紹介し、有権者を二度見、三度見させること」だという。 「政治家が政策を語る場合、単に主張するだけでは有権者の心に届きません。自分の素顔、それも世間一般的には“失敗談”と受け止められるエピソードと絡めながら話すと訴求力が桁違いに増加します。例えば夫婦別姓の問題です。同姓と別姓のメリットやデメリットを理路整然と説明してもダメで、例えば自分の離婚歴を明かしながら夫婦や家族のあり方について有権者に訴えると、関心が一気に集まります。これで成功したのが小泉進次郎さんです。幼少期に両親が離婚したことなどプライベートな話題を率直に語り、『選択肢を拡げる政治家として生きていく』と決意表明に結びつけました」 保守派の論客として知られる高市氏は男性有権者の支持が強い分、女性票が弱点との指摘は多い。 そして自民党員は保守的な男性が多いと言われる。高市氏が党員票を集めていると分析される理由の一つだ。とはいえ、与党である自民党の場合、新総裁は新首相となる可能性が非常に高い。高市氏が与党トップとして広範な有権者から人気を得て「選挙の顔」という役割を果たすためには、無党派層の女性有権者から支持されることも必須だ。