就職情報サイト一択時代の終わり 多様なツールを企業はどう使う
このため、企業の採用活動はやることが増えました。従来は学生ほぼ全員が就職情報サイトを使って活動していたので、それに情報を載せていればよかった。しかし、今は学生がいろいろなツールで情報収集しているので、どこに情報を発信したらいいという正解はなくなったというイメージです。企業としては、欲しい人材が使っているツールを使わなければ、学生がたくさん集まったとしても求めている人材を採用できない、といったことになりかねません。 ありがちなのが、「リクナビで集まらなかったから、スカウトサービスを使うか」といったツール選びに陥ってしまうことです。どんなツールであろうが、採用したい学生が関心を持つ情報を伝えることができなければ意味がありません。自社ならではの強みを提示して、学生を振り向かせることが大事なのです。 ●採用で競合する会社にない自社の強みは何か そのために、自社の強みや特長を整理する必要があります。重要なのは、採用で競合する会社にはない自社の強みは何かを考えることです。競合にも当てはまるような強みを掲げても、差異化はできません。自社ならではの強みを示すことが大事です。 次に、採用したい学生像を明確にすることです。約45万人いるとされる就活生全員に自社を知ってもらうのは難しいことです。であれば、どんな人に知ってもらいたいかを整理しましょう。男女でも考えていることや興味、関心は異なります。学生がIターン、Uターン、首都圏で働く、どんな志向を持っているかによっても、訴えるポイントは変わるはずです。欲しい人材に自社の強みのどの部分をどう伝えれば反応してくれるか。それを踏まえた上で多様化したツールをうまく使ってほしいと思います。 (構成=荻島央江)
谷出 正直