就職情報サイト一択時代の終わり 多様なツールを企業はどう使う
選考方法もネットで探れる時代に
長い間、採用の選考方法はブラックボックス状態でしたが、今ではかなりオープンになってきました。インターネット上で選考関係の情報が共有されるようになったからです。その最たるものが、選考を通過した学生のエントリーシートや面接の過去問などを集めて公開している 「ONE CAREER」です。学生が選考時の体験談を書き込むこともできます。会員登録すれば見られるため、年々登録者が増えています。ワンキャリアは、23年卒の就活生の「ONE CAREER」利用率が就活生全体の60%を突破したと発表しています。 就職情報サイトは企業側のニーズを満たしていたかもしれませんが、学生が本当に知りたいのはその会社がどんな選考方法を取っているのか、そもそもどんな会社なのかということです。このため、口コミでそうした情報が掲載されているサイトに学生が集まります。学生が集まれば集まるほど、企業は学生と接点を持てるルートとして口コミサイトに注目し、ここに企業情報を掲載するようになっていったのです。 口コミ以外にも、「OfferBox」や「キミスカ」などのように、企業側から学生へアプローチすることを軸にしたスカウトサービスもあります。学生が自分の情報を登録しておけば、企業側からオファーが届くというもので、就職情報サイトや口コミサイトとは違った使い方ができるため、これを併用する学生もいます。 このほか、XやInstagramなどのSNSも採用ツールになり得ます。学生はリクナビやマイナビなどの就職情報サイトや口コミサイトを就職活動のために見にいきますが、SNSはそうではありません。 しかし「たまたまインスタグラムを見ていたら、社員が踊っていて面白かった。どんな会社かなと興味を持って調べてみた」というように、SNSは学生が普段の生活の中で企業と接点を持つ場になります。それは就職情報サイトや口コミサイトでは起きないことです。このため、今までにない有効なルートとして使えるのではないかと企業が注目するようになりました。 このように以前に比べ採用活動ツールは格段に増え、かつ細分化しています。