J2で快進撃を続ける水戸ホーリーホックの強さの秘密とは?
一瞬たりともサボらない。目の前の相手に走り負けない。そして、絶対に背伸びはしない。等身大のスタイルを追求しながら、ピッチ上の一挙手一投足に全身全霊を注ぎ続ける水戸ホーリーホックが、平成から継続してきた開幕不敗記録を「12」に伸ばし、J2戦戦の首位をキープしている。 FC町田ゼルビアのホーム、町田市立陸上競技場に乗り込んだ5日の明治安田生命J2リーグ第12節でも、豊富な運動量と球際の攻防におけるインテンシティーで相手を終始圧倒。後半に立て続けに奪った2ゴールを守り切り、シーズン7勝目(5引き分け)に8度目となる完封劇で花を添えた。 J2の舞台で戦い続けて20年目。大半のシーズンで2桁順位に終わってきたホーリーホックに、いったい何が起こっているのか。ゼルビア戦でプレーした選手のなかで最古参および最年長となる、在籍8年目を迎えたキャプテンのDF細川淳矢(34)が試合後に発した言葉に、12試合でわずか4失点と変貌を遂げた秘密が見え隠れしている。 「自分たちに力がない、と言ったらおかしいんですけど、相手チームよりもハードワークしなければ勝てない伝統のようなものを、全員が理解していることが一番大きい。前線の選手たちがファーストディフェンスでものすごく走ってくれるので、後ろの選手たちもしっかり応えようと続く。それが繰り返されるなかで、チームの士気もあがっていると思っています」 自陣に引いて守るのではなく、前へ、前へ、という意識を徹底させながら攻防一体で勝ち点をもぎ取る。黎明期から大事にされてきた、一丁目一番地とも呼ぶべきハードワークの尊さをより鮮明に打ち出したのが、昨シーズンから指揮を執る長谷部茂利監督(48)だった。 「コーチングスタッフや選手たちには、できることを100%やろうと言っています。できないことをお互いに求められても困るので、いまの自分たちにできることを必死になって準備して、試合という場で発表しようとトライしている。(好調の)秘訣は私自身、よくわかりませんが、そういうスタンスのもとでいまのところ、守備面で無失点の試合が多くなっているのかな、と」