U-18日本代表、逆転優勝へ望みをつなぐ 静岡ユースにPK勝利
8月23日、2024 SBSカップ国際ユースサッカーが行なわれ、静岡県の愛鷹広域公演多目的競技場で行われた第2試合でU-18日本代表と18歳以下の県選抜選手で構成される静岡ユースが対戦。1点を争う好ゲームとなったが、PK戦を制したU-18日本代表が今大会初勝利を手にした。 【フォトギャラリー】静岡ユースvsU-18日本代表 4チームの総当たり方式で行なわれる今大会。第1試合でU-18アルゼンチン代表がU-18韓国代表にPK戦で勝利して勝点5に伸ばしたため、優勝を目指すためには互いに勝利が求められる状況でキックオフを迎えた。 前日の初戦に続いて心配された天候も、キックオフ直前まで雷が鳴る状況。しかし、何とか収まって無事に40分ハーフで実施される運びとなった。その中で立ち上がりから主導権を握ったのは静岡ユースだ。MF矢田龍之介(清水エスパルスユース/3年)、MF堀川隼(静岡学園/3年)のダブルボランチとトップ下のMF川合徳孟(ジュビロ磐田U-18/3年)を軸にボールを動かしながら、縦に速い攻撃で相手ゴールに迫っていく。左サイドハーフのMF小竹知恩(清水エスパルスユース/3年)、右サイドハーフのMF土居佑至(清水エスパルスユース/2年)もうまくボールに絡み、最前線のFW湯山大輔(藤枝東/3年)もスピードを生かして決定機に演出。20分には川合のスルーパスから小竹が左足でシュートを放つが、惜しくもGK上林大誠(モンテディオ山形)に阻まれた。 一方のU-18日本代表は高い位置から積極的にプレッシャーを掛けられずに苦戦。相手の攻撃を受ける時間が続き、中盤でもセカンドボールを拾えない展開となった。FW安野匠(帝京長岡/3年)とFWワッド・モハメッド・サディキ(柏レイソルU-18/3年)らが相手の背後を突いて好機を作り出そうとしたが、思うようにボールを引き出せない。リズムが掴めないまま、スコアレスで前半を終えた。 互いに得点を奪えずに迎えた後半はU-18日本代表が攻勢に転じる。42分には左サイドハーフの天野悠斗(G大阪ユース/3年)のラストパスに安野が合わせる。惜しくもゴールに結び付かなかったが、以降もサイドアタックをベースにチャンスを生み出す。右SBの柴田翔太郎(川崎フロンターレ/3年)も積極的に高い位置を取り、高精度のクロスをゴール前に送るシーンが増加。55分には柴田のクロスから安野が合わせてネットを揺らしたかに思われたが、オフサイドの判定でノーゴールに。58分に柴田のクロスからCB山田海斗(ヴィッセル神戸U-18/3年)が頭で合わせる。ゴールの匂いが高まったが、その後はトーンダウン。運動量が低下し、再び相手にペースを握られる展開に。試合は80分で決着がつかず、勝負の行方はPK戦に委ねられた。 互いに全員が成功させて迎えた4本目。U-18日本代表は安野が成功すると、後攻の静岡ユースはDF桶川陸(富士市立/3年)が失敗。直後の5本目を成功させたU-18日本代表が勝利を収め、勝点を4に伸ばした。 「80分以内で勝てば優勝。しかもアルゼンチン。そんなの状況はなかなか味わえないのでまずは楽しみたい」とは船越優蔵監督の言葉。アルゼンチンとの最終戦を80分で勝ち切れれば、逆転で優勝を勝ち取れる状況となったU-18日本代表の戦いから25日も目が離せない。 (文・写真=松尾祐希)