横浜DeNAは、なぜ今季観客動員を増やせたのか?
横浜DeNAは、今季、昨季比122%の観客動員増を成し遂げた。約142万5000人。ホームである一塁側の増員はプラス139パーセントで、球団の公式ファンクラブ『B☆SPIRIT 友の会』の加入者数を昨年の約2.5倍に増やすなどの営業努力とチーム成績が8月までCS争いをするなど好調だったことが相乗効果となったようだ。そして、これらの急成長は、スポーツマーケティングを用いて戦略的に導かれたものでもあった。37歳の池田純・球団社長に、その内幕を聞いた。 「私たちは、ハッキリとお客さんの顔を知らなかったんです。テレビ中継が抜く観客席を見ながら『綺麗な女性や僕と同世代が増えたな』とは感じていましたが、社員に『どういうお客さんが増えたんだろう?』と問いかけても漠然とした答えしかない。以前のデータもありません。そこで徹底的に調べようと」 親会社は、IT企業。ITを使ったアンケート調査は簡単だが、バイアスがかかってしまう場合があることもよくわかっている。そこで社員、アルバイト総出の人海戦術で一人ひとり対面のアンケートを何万人単位で積み上げた。商品開発のマーケティングなどでよく使われる無作為な何人かに議論をしてもらうグループインタビューという手法まで使った。その調査で見えてきたのが、22%の観客動員アップの根幹を成すのが、20代後半から40代前半の男性サラリーマンであるということ。その層を“アクティブサラリーマン”と命名してさらに徹底的にプロファイリングをしている。 【人物像】 ・野球場の雰囲気が好きで勝敗だけにこだわらず、居酒屋感覚でお酒を楽しむ ・私生活ではアウトドアを含めスポーツ等をするアクティブ層 ・流行に敏感(スマホ多用をしてフェイスブックなどSNSに参加している) ・サッカー観戦なども好きだが、人生のどこかで野球経験あり草野球などをしている。 【観戦スタイル】 ・職場仲間の2~5名グループ ・年に2、3回、平日ナイターで観戦。内野指定など高価な席を購入。 ・子供がいる人は土日に子供連れの観戦。