横浜DeNAは、なぜ今季観客動員を増やせたのか?
言葉を濁したのは、横浜がずっと抱えている経営上の問題である。横浜スタジアムに支払う莫大な使用料、前述した球場内の物販やスポンサー看板などの営業収入のほとんどが球場側に入る仕組みになっていて、その構造を変えなければ赤字体質は永久に解決しない。そこに当面、メスを入れられないとなると、親会社のDeNAにブランディング料、広告費換算で、赤字を補填してもらうしかない。では、その額はどれくらいまでなら大丈夫なのか。親会社が早々に野球界から撤退して球団がまたひとつ減る騒動になってもらっては困る。 「計算によって大きく変わってきます。ブランドの価値と置くのか、DeNAの露出に換算するのか。初年度は、露出の換算価値では1000億を超えると試算しましたが」。1000億円は大げさにしても現状では想定内の赤字幅ということなのだろう。 「切羽詰まった危機意識を持っています。今季は150万人動員が目標でした。来季こそ150万をクリアしたい。ただ勝敗を抜きにして球団経営ができることを理想だとは思いません。ホームランでも盗塁でも……感動を与えることが大切で、魅力のある、強いチームすることが、そのためにも欠かせぬ要素です」 横浜DeNAの3年目のシーズンはすでにスタートしている。 (文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル)