乃木坂に迫る櫻坂、日向坂は再び紅白逃す…圧倒的なK-POP勢 Spotifyから分析
「オタク力」に関する研究がありアイドルに詳しい千葉大教育学部長の藤川大祐教授(教育方法学)は「日向坂46は、昨年グループの方向性に迷いがあった中、正源司さんの初センター曲で盛り返した。しかし、次のシングル曲でハネきれなかった」と分析。「今年は、櫻坂46が好調を維持して盛り上がり、ライブや楽曲の人気も高く、(紅白出場は)納得のいく選考だ。他のグループは楽曲にそれほどパワーがなかった」と指摘した。
日向坂46は、配信成績は振るわなかったが、これまで侍JAPANや巨人のキャンプに使用されてきた野球場「ひなたサンマリンスタジアム宮崎」(宮崎市)での音楽ライブ開催の実績を作った。専門家も巻き込んだ綿密な計画で交通・宿泊インフラの限界までファンを動員したライブの経済効果は、日本代表合宿を上回る29億円と試算され、地方創生という新機軸を打ち出した。8月の地震や台風、竜巻で打撃を受けた地元経済の回復に寄与し、内閣府のレポートでも取り上げられた。
他にも、エースの小坂菜緒さんが、放送中の大河ドラマ「光る君へ」で斎院の中将を演じたり、年末に東京ドーム公演が決まったりと、紅白出場こそ逃したが、復調の兆しが見えた一年だった。来年1月発売のシングル曲では、小坂さんが6作ぶりにセンターに復帰。加藤史帆さんらセンター経験者の卒業が続く中、巻き返しを狙う。
歴代最長の17年在籍の柏木由紀さんが4月30日に卒業したAKB48は、日向坂46を上回る65日間のランクインを果たすも大きな山を作ることが出来ず、他の48グループはランクインがなかった。
■櫻坂躍進の背景に配信の積極活用
櫻坂46は、昨年と比較して一年を通してSpotifyでの順位を50位ほど上げた。躍進の背景には、センター起用の期待に応えた山下さんら3期生の活躍に加えて、Spotifyの積極的な活用やコラボがあった。櫻坂46のX公式アカウントが12月9日に発表したデータによると、今年のリスナー数は99万人、再生回数は6683万回に上った。