乃木坂に迫る櫻坂、日向坂は再び紅白逃す…圧倒的なK-POP勢 Spotifyから分析
2月の山﨑天さんのセンター曲では、同サービス上で再生時に流れる映像を10回更新したり、ショート動画の投稿を開始したりと積極的な活用を進め、リスナーを増やした。3月には、Spotifyとタイアップした広告が東京・渋谷のスクランブル交差点を含む4カ所の街頭モニターで流れ、6月のアリーナツアーの東京ドーム公演では、コラボブースまで設置された。最新シングル発売時には、同社のオフィスを訪問しており、明確に配信重視を打ち出している。
「Buddies」と呼ばれる櫻坂46のファンの間でも、2022年に紅白出場を逃した後、競合するアイドルを分析し、配信を重視する姿勢が共有されていた。シングル曲「承認欲求」の500万回再生のように大台に数字が乗った際には、グループ側がSNSでファンに知らせることで好循環が生まれていた。
櫻坂46が、配信プラットフォームの中でも特にSpotifyに力を入れる背景には、世界戦略も影響しているとみられる。他の坂道シリーズと異なり、SNS投稿は英語でも行われ、11月には韓国や香港の音楽イベントに参加し、パフォーマンスを披露した。12月2日には、海外ファン向けのグッズ代理購入、発送のサービスを開始するなど、世界進出に力を入れている。
■日本のアイドルの現在地
今年の紅白でも、ストリーミング配信が圧倒的に強いK-POPの女性アイドルグループが選ばれた。昨年は、TWICEから日本人メンバー3人のユニット、MISAMO(ミサモ)が出場したが、今年はTWICEがグループとして出場する。また日本の人気グループPerfumeが選考から漏れる中、ILLIT(アイリット)が初出場を果たすなど、K-POP色がいっそう強くなっている。LE SSERAFIM(ル セラフィム)含め、いずれも日本人メンバーが所属するグループではあるが、Spotifyの月間リスナー数を見る限り、日本のアイドルと比較すると桁違いの差がついている。