【NBA】セルティックスのジェイソン・テイタム、パリ五輪で因縁のあるカーHCにリベンジの意識はなし
「僕は悪態をつかないことを学んだ。それが自分の肌に合っているんだ」
現地6日、セルティックスはホームでウォリアーズと対戦。セルティックスが残り2分で2点を追いかける激闘となったが、最終盤にバディ・ヒールドにビッグショットを沈められ、ウォリアーズに112-118で競り負けた。これでセルティックスは7勝2敗となっている。 ともにスタートダッシュに成功した人気チーム同士の対決ということ以上に、この試合で大きな注目を集めたのはウォリアーズのスティーブ・カーヘッドコーチとセルティックスのジェイソン・テイタムの因縁だ。 テイタムは今夏のパリオリンピックにアメリカ代表として出場したものの、チームを率いたカーは彼を主力として起用せず。テイタムの合計出場時間は12名中11番目に留まった。 大会直前、セルティックスをNBA制覇に導いた大エースの起用法について多くのバスケットボールファンが疑問に思い、当然のようにセルティックスファンは反発した。それだけに今回、試合前の紹介でカーの名前が読み上げられた時、会場から大きなブーイングが起こったのも想定内のことだった。 セルティックスのファンにとって、これからもカーは嫌悪感を向ける対象となるかもしれない。だが、テイタム本人にとってはもう過ぎ去った過去の出来事の1つに過ぎない。この試合をテイタムのリベンジゲームと見たメディアに対し、彼は「そういう気持ちはなかった」と語った。 「水曜日に行われるいつもの試合で、自分がなれる最高の選手を目指すための機会だ。そして、また勝利を目指して頑張るだけだよ。人々は僕により意見を発信することを求める。ただ、僕は常に自分のやりたい方法で物事に対処する。そして自分自身の気持ちに対して誠実でいたい」 テイタムは現在26歳。全盛期はこれからという選手だが、19歳でNBA入りした当時から、名門のスター選手として常にスポットライトを浴び続け、良いことも悪いこともさまざまな経験を積み重ねていた。 そして今の彼は、「僕は悪態をつかないことを学んだ。それが自分の肌に合っているんだ」と、すでに自分のスタイルを確立している。「若い時は、知らない人たちを喜ばせることで頭が一杯になったり、気を遣ったりもした。自分のやりたい方法で行動すれば、どんな状況でもその結果に耐えることができる。これこそが僕の生き方だ」 傑出したスキルに加え、精神面でもテイタムはトップ選手にふさわしい成熟ぶりを見せている。NBAの若きスターが心身ともに充実していることを改めて実感させられる発言だった。
バスケット・カウント編集部