工場勤務→4時間練習「正直きつかった」 異色の経歴…“最下位指名”24歳が明かした苦悩
古賀は長野・千曲川硬式野球クラブに2年間在籍
西武の「2024ドラフト新入団選手発表会」が1日、埼玉県所沢市に9月にオープンしたばかりの西武グループの商業施設「エミテラス所沢」で開かれた。7位指名で入団した古賀輝希内野手は24歳でのプロ入り。ここに至るまでには、紆余曲折の人生だった。 【写真】美しい純白のウェディング姿…元アイドルの美人妻と西武内野手の2ショット 「クラブチーム出身の選手がどのくらいやれるのか、という目で見られていると思うので、やれるんだぞというところを見せていきたい。広角に長打を打てるところがアピールポイントだと思うので、そこをしっかり見せていきたいです」。右投げ左打ちのスラッガーは言葉に力を込めた。 佐賀商高3年の夏に甲子園出場を果たし、1回戦で富山・高岡商高に敗れたものの「4番・一塁」で出場した。その後は福岡・日本経済大へ進学。右肩脱臼の試練を味わい、卒業時には社会人の企業チームからのオファーを得られなかった。しかし、コーチの紹介で長野県小諸市に本拠地を置く千曲川硬式野球クラブに入り、プロになる夢を追い続ける道を選んだ。 「(クラブチームは)練習時間が短く、フルで仕事をやってからの練習になる。正直言って、そこがきつかったです」と明かす。チームの全体練習や試合は土日のみ。平日は生コン(生コンクリート)工場で品質検査の仕事に従事し、終業後の午後6時くらいから室内練習場などで毎日4時間、自主的な練習に取り組んできた。 モチベーションを保つのが難しい状況だったが、「小さい頃からの夢であるプロ野球へ絶対に行きたい」という思いが支えになった。クラブチームでの2年間で、体重を約10キロ増やしてパワーアップ。チームは2年連続で夏の「全日本クラブ選手権」に出場し、古賀輝は2023年には「4番・二塁」、今年は「4番・三塁」でともに中軸を担った。 目標とする選手の1人に挙げるソフトバンク・柳田悠岐外野手ばりの思い切りのいい打撃が持ち味。西武は今季チーム打率.212、本塁打数60、総得点350がいずれもリーグワーストと“貧打”にあえいだ。それだけに、支配下では最下位の7位指名とはいえ、古賀輝に寄せる期待は大きい。 目標として色紙に「開幕1軍」としたためた。年齢的にゆっくり構えている余裕はない。
宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki