「結婚したがらない」男子校出身の東大生たち。中学受験で人気の“男女別学”に潜むリスクとは
男子校出身者は結婚に消極的な人が多い
婚活支援を事業として行うパートナーエージェントがアラサー男女2115人を対象に行った調査によれば、男子校出身者の結婚に対する意欲は、共学出身の男女および女子高出身の女性より著しく低いことが明らかになっています。 具体的には、他の属性では高くても17%程度であった「結婚したくない」と回答した比率が、男子校出身者だけ28.2%にまで達しているのです。 これは「何とも言えない」と回答した層と合わせると過半数の50.2%に到達し、男子校出身者が著しく結婚に対してネガティブな印象を抱いていることがわかります。 とはいえ、2020年の国税調査によれば、大卒男性の90%近くは結婚していることが明らかになっています。独身研究家コラムニストの荒川和久氏は「男性の未婚率が低い理由は、従来みられた男女間の賃金格差によるもの」と指摘しています。 東京大学出身者は一般に高年収であることは広く知られており、本来なら東大出身男性の結婚率は著しく高く出るべきです。
東京大学出身者の婚姻状況
ただし、荒川氏は続いて「男女間の賃金格差がなくなれば、稼ぐ女性は自分より稼がない男性を結婚相手とみなさなくなるだろう」とも記しています。 東京大学大学院教育学研究科によるレポートでは、世代別に分かれた東京大学出身者の婚姻状況が調査されています。これによれば、1970年代生まれまでは男女で婚姻率に差があり、男性のほうが高くなっていますが、1981年生まれを境に逆転し、女性の婚姻率のほうが高くなりました。 キャリアデザインの都合上、男女関係に時間を割く余裕がなくなり、結婚していないだけともとれますが、私は「女性のキャリア向上」と「男子校通いの副次効果」が相乗したのではないかと考えました。 男子校出身の東大卒が結婚に消極的になりつつある上に、女性の賃金も上昇してきているため、同じ社会階層の女性に相手にされなくなりつつあるのではないか。 そう考えると、冒頭紹介した僕の友人も、もしかしたら「婚姻に対するネガティブな感情」が様々な経験や知識によって味付けされ、「反出生主義」の形をとって出てきたのではないかと思えてしまいます。