オーソドックスでゴルファーの手本となる岩井明愛のスウィングをプロが解説【勝者のスウィング】
フェースをターンさせながらクラブを動かすオーソドックスなスウィング
まずテークバックではフェースを閉じたままシャットフェースには上げていません。アドレスで構えた手元を開く、閉じるといったねじる動きが入らずに上げていきます。 トップでのフェース面が空を向くほどのシャットフェースではなくほぼスクエアです。そこから左に重心を移動しながら体をターンさせクラブが体に巻き付くようにダウンスウィングに入ると、テークバックの画像Aの右とダウンスウィングの画像Bの右とほぼ同じ向きになっていることが見て取れます。
つまりフェース面はまだボールに向いていません。ここからインパクト、フォローにかけてフェースをターンさせながらクラブヘッドは体を中心に大きく動いていきます。ゴルフの長い歴史の中で培われたとてもオーソドックスなスウィングだといえます。 活躍する選手によって流行りが生まれるのもゴルフの面白さではありますが、岩井明愛選手のフェースを開閉しながら打つオーソドックスなスウィングは多くのゴルファーの参考になるはずです。ただしフェースがターンするタイミングによって弾道を打ち分けることもできるスウィングですが、フェースターンのタイミング次第になるスウィングともいえるので、自分なりの感覚や調整法を持つことも重要になるでしょう。 3日間であっても4日間競技であっても、最終日に向けてショットもパットも調子を上げて行ける選手が最終的には上位に残ります。その調整力と優勝争いの中で自分のパフォーマンスを発揮できる強さを持つ岩井明愛は今週「全米女子プロゴルフ選手権」に妹・千怜選手とともに出場します。海外メジャーでの活躍に注目していきましょう。
プロゴルファー・中村修