高級EVのなめらかな加速と乗り味 メルセデス・ベンツ EQB350 CARストーリー
メルセデス・ベンツのEVは車名に「EQ」がつく。電動化に力を入れるメルセデスはエントリーグレードのEQAから最上級のEQS、さらにチューンアップされたAMGや、2790万円のマイバッハEQSまで豊富なバリエーションを誇る。EQBは小柄なボディーに7人乗りの3列シートを採用した魅力あるモデル。先代からデザインを刷新、よりEVらしいフォルムとなった新型EQBに試乗した。 【写真】高輝度の液晶パネルが採用され、操作性に優れる運転席 人気も一段落して、販売に減速傾向がみえるEVだが、環境問題を考えるならガソリンを使わないエコなクルマの普及は欠かせない。ネックは充電施設と価格だが、大手メーカーは走行距離の増加と低価格化を目指して電池の開発に巨費を投じている。EVの車両価格は500万円くらいからが中心となるが、400万円を切れば普及に弾みがつきそうだ。 今回お借りしたのは、EQB350・4MATICで価格は899万円。前後にモーターを1基ずつ搭載し、最高出力は292馬力に達する。一充電走行距離は467キロと標準的な性能だろう。 EQBには兄妹車の250+があり、モーター1基のFFで190馬力と性能は控えめ。ただしフル充電で557キロを走行でき、価格は811万円と悩ましい選択になる。 EQBはエンジン車のGLBをベースにして、フロントグリルに無数のスリーポインテッドスターをあしらうなどEVらしいデザインに仕立て直した。 このクルマにはオプションの「AMGラインパッケージ(59万8000円)」と「AMGレザーエクスクルーシブパッケージ(28万円)」などが追加される。乗り出し価格が1000万円を超えるので、高級車といっていいだろう。 厚みのあるシートはやや硬めでしっかりした座り心地。ステアリングに操作ボタンが集約され、手を離さずにコントロールできる。ナビやエアコンは「ハイ、メルセデス」と話しかければ音声だけで、目的地や温度を設定可能。 シフト操作を日本車でいうウインカーレバーで行うので最初は慣れが必要だ。押し下げてドライブ、持ち上げてリバース。パーキングはウインドウオッシャーのようにレバー先端のボタンを押す。