中学生のわが子がインフルエンサーを目指している…プロが「これに尽きる」と勧める最初の一歩
■基本スキルは他のビジネスと同じ インフルエンサーとして成功する秘訣は、他のビジネス分野と大きく変わりません。商品や業界についての知識が豊富であることや他人から信頼される力、愛される力も大切です。 SNSでコメントやDMをもらったらすぐに返信するといった当たり前の努力は欠かせません。サイトやSNSをこまめに更新するなどの継続する力も必要になってきます。 継続する力が弱い人は確かにいて、せっかく投稿をはじめたのに「いいね」が増えないからとすぐにやめてしまうタイプです。初めは反応がほとんどなくて当然ですし、「いいね」が少なくても諦めずに投稿しつづけた人がインフルエンサーになっているのです。すぐにやめてしまうのは本当にもったいないですよ。 「インフルエンサーに必要な資質や能力は何ですか?」と質問されたら、「特別なものはない」というのが私の答えです。インフルエンサーになることは、高校受験みたいに誰でもできると私は考えています。目指すレベルや偏差値によって時間やコストのかけ方が違うだけで、勉強のやり方に大差がないように、特別な才能などないと思います。 ■注目されるニッチな市場 今後はAIによって言葉の壁を超えられるので、海外に向けても発信するチャンスが出てきます。私がC Channelで最初に意識したのは、インフルエンサー市場が大きい中国です。 例えば、中国からのインバウンド向けに、日本の観光地を発信している人気インフルエンサーがいます。日本食、ゲームやアニメ、子どものおもちゃなどはやはり手堅い分野です。 わりとニッチなところでは、日本の釣具、キャンプ用品などアウトドア分野も中国で人気があります。腸活などの健康分野も注目されていますし、最近は日本のコーヒーが中国で人気という話もあります。 中国のトップインフルエンサーに会うと、朝から晩まで情報を発信しつづけ、ほぼ365日休みなしといった印象です。食事中でも、トイレの中でも発信するような具合で、起業家とほぼ同じ思考の持ち主だと思いました。彼女たちは自分で企画し、チームをつくって会社を設立し、ブランディングしているのです。 気合と根性では勝ち目がなさそうでも、日本人には真面目さや丁寧さといった強みがあります。日本の釣具やコーヒーが人気なのも、結局は日本人らしい丁寧な仕事ぶりが好評なのだろうと思います。 やはり他の仕事と同じように、信頼性の高さがエンゲージメントにつながり、インフルエンサーとして成功するのです。 ---------- 森川 亮(もりかわ・あきら) C Channel 社長 1967年、神奈川県生まれ。89年、筑波大学卒業後、日本テレビ放送網に入社。在職中に青山学院大学にてMBA取得。2000年にソニー入社。03年ハンゲーム・ジャパン(現LINE)に入社、07年社長に就任。15年よりC Channelを創業。 ----------
C Channel 社長 森川 亮 構成=伊田欣司