「生みの親」ミン・ヒジン氏がアドアを退社、NewJeansの独立は秒読みか
(韓光勲:ライター、社会学研究者) 世界的なK-POPグループ、NewJeans(ニュージーンズ)のお家騒動がまた新たな展開を見せています。NewJeansの生みの親、ミン・ヒジン氏が事務所ADOR(アドア)の社内理事から辞任することを発表したのです。 【写真】このシャツとキャップが即日完売!記者会見でハイブを批判したミン・ヒジン氏 アドア退社にあたって発表したコメントは、アドアの親会社であるHYBE(ハイブ)を厳しく批判するものでした。現時点(2024年11月23日)での最新情勢をお伝えしつつ、今後の動きを予想してみます。 ■ ハイブとの争いは「地獄のような紛争」 11月20日、ミン氏は以下のコメントを発表しました。 〈私は今日アドアの社内理事を辞任する。またハイブと締結していた株主間契約を解除して、ハイブに株主間契約違反事項に対する法的な責任を問う。ハイブとその関係者たちの数々の不法行為に対して必要な法的措置を一つ一つ取る〉 ミン氏は8月に代表理事を解任された後、社内理事として一応はアドアに留まっていました。その職を辞し、アドア、そしてその背後にいるハイブとは完全に袂を分かつ行動に出たわけです。
「不法行為に対して法的措置を取る」というのは、つまり、「訴訟する」という宣言です。もう堪忍袋の緒が切れたのでしょう。 さらに強い批判が続きます。 ミン氏は「NewJeansを守るため、アドアの代表に戻ろうと努力してきた」と述べた上で、「ハイブは自分たちの過ちを認めず、意見を変えることもない。これ以上の努力は時間の浪費だと判断した」と言います。 ハイブとの争いを「地獄のような紛争」とし、独特の表現で、ハイブとの争いを次のように表現します。 〈少数株主(18%)であり、代表理事である私に、ハイブは『経営権の奪取』という奇怪なフレームをかぶせて、魔女狩りをしながら、大企業とは信じがたい無知で非常識な攻撃をした〉 筆者は「魔女狩り」という表現に注目しました。中世末期から近世にかけてのヨーロッパでは、「魔女」と疑われた人の処刑が行われました。犠牲者は数十万人とも数百万人とも言われています。現在では、女性への最悪の人権侵害の歴史として知られています。 つまり、「ハイブの行ったことは女性への人権侵害なのだ」というミン氏の強い気持ちが、この「魔女狩り」という表現に表れていると思います。