「生みの親」ミン・ヒジン氏がアドアを退社、NewJeansの独立は秒読みか
■ 記者会見は開かず、コメントで痛烈に批判 韓国では、ミン氏が騒動の当初に行った記者会見は「世紀の会見」と呼ばれ、もはや伝説のように語られています。時に攻撃的な言葉でののしりながら、ハイブのトップであるパン・シヒョク氏を厳しく批判する姿は、女性たちの共感を集めました。記者会見の際、ミン氏が身に着けていた服や帽子がネット通販で売り切れるといった社会現象も起こりました。 韓国語は、悪口のレパートリーが多い言語だと言われています。ミン氏は記者会見の際、あらゆる言葉を使って、ハイブを批判しました。 ただ、その姿はあまりに感情的過ぎたとも言えます。ここまで強い言葉で批判してしまうと、和解の可能性を閉ざしてしまうからです。記者会見に同席した弁護士が、呆れたように天を仰ぐ様子も話題となりました。ミン氏が、名誉毀損や侮辱に当たる可能性のある表現を使ってしまったことへの反応でしょう。 今回はコメントだけの発表となり、記者会見を開きませんでした。今後の裁判を見据えてのことだと思います。また記者会見を開いて罵詈雑言を浴びせてしまうと、裁判で不利になる恐れがある。弁護士がそう忠告したのだと思います。裁判に臨むための戦略としては正解だと思います。 今回のコメントは弁護士と相談して、綿密に用意されたものでしょう。ただ、それでも、ギリギリ問題にならないくらいのラインで、痛烈な批判をしています。以下に並べてみます。
〈ハイブの醜悪な嘘と偽善が続々と明らかになっている〉 〈ハイブはただひたすら自分の利益が重要な人たちで、問題解決を目指そうとしない〉 〈人間として最小限の良心はあるだろうと信じたのが間違いだった〉 〈ハイブの蛮行はK-POPの歴史上、空前絶後の事案〉 〈お金に執着して、この歪んだ組織(アドア、ハイブを指す)に便乗して安住したくなかった〉 〈大企業という名を冠した集団(ハイブ)の無根拠な暴力から始まった地獄のような闘い〉 これだけ強い言葉を使ったということは、裁判で全面的に争う宣言として読めます。真っ向から対立するのを厭わず、ハイブという巨大企業相手に最後まで闘う。そういう強い意志が読み取れるのです。 ■ なぜこのタイミングなのか では、なぜこのタイミングで、ミン氏は退社を発表したのでしょうか。11月14日に報道されたように、ミン氏はプットオプションを11月初めに行使していました。 プットオプションは、あらかじめ決められた価格で株式を売る権利を指し、本来の契約条項が有効であれば、約260億ウォン(約28億7000万円)を受け取ることができる権利を行使したことになります。