<プロ野球>大谷、また勝ち負けつかず。遠い今季初白星。
北海道に日本ハムの大谷翔平(21)が17日、本拠地札幌ドームのロッテ戦に先発したが、二回に中村奨吾(23)の先制タイムリーツーベースで2失点。8イニングを投げ、4安打、7奪三振、5四死球の内容で、1-2のスコアで負け投手の責任を背負ったままの降板となった。 1点を追う日ハムは9回にロッテの守護神、西野勇士(25)を攻め、近藤健介(22)の同点タイムリーで大谷の負けを消した。試合は延長戦にもつれこみ、10回にロッテが再度リードを奪い、5-3で競り勝った。開幕投手を務めた大谷はこれが4試合目の先発で、すべてにクオリティスタートは守っているが、今だに勝ち星なし。若きエースは、いつ初勝利を手にすることができるのだろうか。
開幕戦で悔しい思いをしたロッテとのマッチアップ。3月25日の試合では、初回の配球を読まれ、先制攻撃を仕掛けられた。この日は、二回だった。コントロールがまだ定まらない。 一死から井口に対してボールが先行、カウントを取りにいったストレートを狙い打たれると、続く鈴木は四球で歩かせた。田村はストレートで三振にとるが、中村にも、ストレート中心の配球。カウント2-2からのフォークをカットされると、157キロのストレートが少し外に浮いた。目線をさげコンパクトに逆らわずにスイングした打球は、ライトフェンスの一番上部にダイレクトでぶつかる2点タイムリーツーベース。制球に苦しむ大谷の「ストレート狙い」を徹底したロッテ打線の読み勝ちだった。 大谷は、まだ立ち直れない。3回にも先頭のデスパイネにヒットを許し、清田にはフォークでスイングアウトにとりながらも、落差の激しすぎたボールを大野が後逸(記録は暴投)。さらに角中が四球を選び無死満塁の絶体絶命のピンチを迎える。だが、ビッグプレーに救われる。井口の浅いライトフライで、清田は「コリジョンルール」の恩恵をバックに、タッチアップのスタートを切ったが、ライトの谷口がワンバウンドの好返球で、本塁タッチアウトとなったのだ。一瞬にして二死となった。大谷は右手をあげて谷口に感謝の意を示す。 なお、一、二塁と得点圏に走者は残ったが、続く鈴木の初球には160キロをマーク。3球勝負、148キロのストレートで見逃しの三振に。ようやくリズムを取り戻した大谷は、5回を三者凡退、6回も一死から鈴木を四球で歩かせるが、バスターを仕掛けてきた田村を4-6-3の併殺打に切り抜ける。 7回のマウンドにも上がった大谷は、この回からストレートを抑え気味に省エネ登板。3人で抑え、8回もクリーンナップに出塁を許さず、球数が125球になったことで、負け投手の責任を負ったままの降板となった。8回2失点は、ハイクオリティスタート。先発投手としては合格点である。