<プロ野球>大谷、また勝ち負けつかず。遠い今季初白星。
スタンリッジの前に7回まで1点を返すのが精一杯だった打線が、土壇場の9回に奮起。ロッテの守護神、西野を攻め、一死から田中が四球で歩き、追い込まれた中田がセンター前でつなぐ。一死一、二塁。ここで近藤が、ライト前へ同点タイムリー。大谷の負けを消した。さらにレアードの三塁強襲ヒットで、一死満塁のサヨナラ機を作ったが、谷口、市川に1本が出ずに逸機。ゲームは延長戦にもつれこんだ。 ロッテは、延長10回。3番手の増井から、先頭の三木の二塁打をきっかけに、一死満塁から途中出場の高濱のタイムリー、田村の2点タイムリーなどで再度3点のリードを奪った。日ハムは、その裏1点を返して二死満塁の同点機を作ったが、ロッテの益田が踏ん張った。 大谷は、過去3試合も、いずれもハイクオリティスタートを守っている。内容、結果共に悪いわけではなく、むしろローテーション投手の役割を十分に果たしている。が、味方打線との噛み合わせが悪い。「そのうち勝てる」の状況で、なかなか白星がつかない間にメンタルにも影響を及ぼし、本当のスランプに陥る危険性もある。 今季は、打者としてはすでに8試合でスタメン出場。陽岱鋼、杉谷拳士らの故障もあって、中6日のうち3日間でコンスタントに打者出場を続けている。打率.259、2本塁打、7打点の数字は合格点だろうが、6日の西武戦で、スライディングで右足首を痛めるなど、二刀流のリスクも現実のものとなってしまっている。大谷の場合、打者の疲労度が加味されてくるので、投手としてのコンディションをどう維持するかも簡単ではない。なおさら、早く、今季勝ち星を記録しないとエースが自信を喪失する事態にもなりかねない。